Q経営コンサルタントの凸凹研究所は、福島在住の有志からなる市民団体「再生ふくしま」からミッションを与えられた。政府から与えられた未来ではなく、本来の福島が目指すべき未来はどんな姿か、長期的なビジョンとプランを提案してほしいというのだ。「30年後の福島を考える」プロジェクトチームに任命された7名は頭を抱えた。地域の未来という大きな構想を練っていくには、一体、どんなアプローチが有効なのだろうか?

被災地を元の状態に戻す“復旧”と違い、“復興”には「未来に向けてこういう街をつくりたい」というビジョンが必要だ。もしあなたが未来の福島についてビジョンを策定するなら、どのようなアプローチが適切だろうか。

過去にとらわれず、未来志向で物事を考えるには、ファンクショナル・アプローチが有効だ。ファンクショナル・アプローチは1947年にGE(ゼネラル・エレクトリック)社のローレンス・マイルズ氏によって開発された問題解決手法で、ものづくりの世界では広く活用されている。