お金の流れはどうなっているのか

ただ、政府のお金がそのまま同財団に流れているわけではもちろんなく、政府は2015年、まず、「Demokratie leben!(上手く訳せないのだが、イメージとしては、“民主主義を生きよう!”と呼びかける感じ)」と称する国家プロジェクトを立ち上げた。

具体的には、「民主主義を生きよう!」プロジェクトには、家庭省の予算から補助金が出る。当初の補助金は年間4050万ユーロだったが、直近ではそれが、なんと5倍以上の2億ユーロ(現行レートで370億円)に膨れ上がっている!

いつ、補助金が急増したかというと、家庭省の大臣がCDUから社民党に変わってからで、2017年、社民党の家庭相の下、補助金は突然2倍以上に膨らんだ。そして、以後、昨年まで、同省はずっと社民党、さらには緑の党が握り、「民主主義を生きよう!」の補助金も増え続けた。

「民主主義を生きよう!」はそのお金を、“民主主義の防衛に貢献する”各種NGOや市民団体に分配する。当然、緑の党と関係の深い「アマデウ・アントニオ財団」にも、このお金が潤沢に流れる。そして、それがさらに下流の、「ディ・ファルケン」のような私たちが名前も知らなかったような下請けNGOまで潤しているのだ。

「民主主義を生きよう!」もう一つの目的とは

ただ、そんなお金の流れも、ましてや左翼NGOが、さまざまな左派思想を子どもたちに刷り込んできたらしい実態も、国民にはほとんど知られていなかった。今回、たまたま「ディ・ファルケン」がポルノ雑誌を使うなどというヘマをしたため、それらが唐突に日の目に晒されることになったわけだ。

政府が「民主主義を生きよう!」を組織した理由は、実は他にもあった。

当時、どんどん支持率を伸ばしつつあったAfDを、それ以外の全ての党が超党派で、どうにかして“合法的に”潰そうとしていた。そのために、彼らは「民主主義を生きよう!」で、せっせと「AfDは民主主義ではない」、「AfDは民主主義を破壊しようとしている」と喧伝した。さらに、「民主主義の破壊者を議論に参加させてはいけない」とし、AfDから反論や討論の場を奪った。

そして、反AfDの気運を懸命に高めようとしたが、しかし、AfDはなかなか潰れなかった。

そこで政府はさらにアマデウ・アントニオ財団に、ジェンダーや、LGBTQなどに反対する人を告発するためのプラットフォームという機能を与えた。前述のDie Welt紙が「過去に何度も批判を受けていた財団」と言うのは、おそらくこのことを指している。なぜなら、これはすなわち密告の勧めであるからだ。

それどころか、当時の家庭相は、「たとえ合法の範囲であっても、そこに敵意が含まれているとかヘイトであると感じた場合、また、嫌な思いをした場合は、躊躇せずに通告するように」と宣伝していた。

それにより、伝統的な家庭観を重んじたり、「性は男女2つしかない」と主張した人たちが、そのために「傷ついた」とか「差別だ」と感じた人たちによって告発されるようになった。そして、「民主主義を生きよう!」が、その件を深刻な問題だと思ったら、裁判沙汰に発展した。

ただし、左翼は何をしても、決して告発されることはなかったのだ。これが民主主義だろうか?