分岐点は「遺体が溶けているかどうか」
お年寄りの男性の体重をおよそ60キロとすると、そのうち40キロ近くが肉と体液だ。それが溶け出し、畳を通り越してその下の床板にまで染み込んでいた。特殊清掃で除去できるのは表面だけで、染み込んだものは薬品では取り切れない。
この部分は撤去して交換することになるだろう。クロス張りの部屋であれば、クロスを全部剥がすことが多い。エアコンも臭気が内部に入り込むため、交換対象になる場合がある。
「中で人が亡くなった部屋には住みたくない」という感情は自然だ。だが「事故物件」の定義は、感情とは少し離れたところにある。実務上の分岐点は「遺体が溶けているかどうか」だ。孤独死でも、早期に発見され、遺体の損壊がなければ、事故物件にはならない。冒頭の大晦日に亡くなった男性も、早期に発見されたから事故物件にはならなかった。
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