整備を急がないと破壊が進む

一方、滋賀県からは、観光文化スポーツ部文化財保護課長名で以下の回答があった。

「滋賀県は安土城跡の管理団体として、昭和15、16年に天主・本丸跡の調査、整備を実施したのを皮切りに、昭和35年~50年に主郭部の石垣修理、平成元~20年に、大手周辺や山復部など主郭部以外も含めた調査整備事業を実施してきました。このように長期計画を立て、安土城跡の調査と保存、整備に継続して取り組んでおり、現在は令和4年度に策定した『特別史跡安土城跡整備基本計画』に基づき、20年計画で新たな調査整備事業を実施しています。

安土城跡は特別史跡として保護されており、調査整備にあたっては史跡の価値と環境を損なわないよう、慎重に事業を進める必要があります。貴重な文化遺産である安土城跡を将来にわたって守り伝え、その価値や魅力を広く発信するため、所有者と覚書を結び、調査整備事業を実施しているところで、今後とも永く保存と活用に取り組むこととしています」

だが、すでに述べたように、いま安土城跡は「特別史跡として保護されている」というよりも、「特別史跡なのに保護されていない」と表現したほうが正確な状況にある。手足が縛られたような状態で「整備基本計画」を進めるあいだに、破壊が進んでいくようで、筆者はいたたまれない。

意図的に崩されている可能性があると発表された天主台東面の石垣=2024年1月12日午前、滋賀県の安土城跡
写真=共同通信社
意図的に崩されている可能性があると発表された天主台東面の石垣=2024年1月12日午前、滋賀県の安土城跡
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