日本はG7先進主要国で最下位

2024年に行われた公的年金の「財政検証」では、モデル年金額は月22.6万円(夫婦2人の基礎年金13.4万円と1人分の厚生年金9.2万円)で、これに対して現役男子の平均手取り収入額は月37.0万円なので、所得代替率は61.2%ということになる。

現役時代の6割の年金が入ってくるならば、何とか生活できると思う人がいる一方、月額22.6万円では到底生活できないと思う人も多いに違いない。所得代替率だけで見ると、一見、ドイツやイギリス、米国などに比べて高いようだが、日本の場合、そもそも現役世代の給与が低く、生活に困窮する人が増えていることもあり、年金制度として胸を張れる状況にはない。

米国のコンサルティング会社マーサーとCFA協会が発表した「グローバル年金指数ランキング(2025年)」によると、52の国と地域の年金制度を上位からA、B+、B、C+、C、Dに分けた評価で、日本はCとなり39番目だった。オランダが総合得点トップだったほか、デンマークやシンガポールがA評価だった。

英国、カナダ、フランス、ドイツがB、米国がC+で、イタリアが37番目のCだったので、日本はG7先進主要国で最下位だった。持続性の評価が低かった。日本の年金制度は「100年安心」などと言っていられる状況ではないのだ。

日本年金機構の看板(2026年1月7日、東京都)
写真=時事通信フォト
日本年金機構の看板(2026年1月7日、東京都)

年金だけではやっていけない

国際比較で欧米の公的年金の所得代替率があまり高くないのは、私的年金が普及していることと無縁ではない。確定拠出型の私的年金の普及を政府が後押ししている英国やドイツは、私的年金からの年金受給が大きな割合を占めている。

日本は今後、少子化によって、所得代替率も大幅に低下していくことが確実視されている。所得代替率50%を維持するという方針だが、現役世代ですら厳しい所得の半分となると、生活をどんなに切り詰めても、年金だけではやっていけない事態が予想される。