メールチェックや返信といった雑務に追われ、定時に帰れない人は多い。資産10億円を築いた実業家で投資YouTuberの上岡正明さんは「Geminiにメール作成を丸投げするだけでは不十分だ。Gemという機能を使えば、相手別・用途別にメール作成を自動化でき、メールに奪われていた時間を丸ごと取り戻せる」という――。

※本稿は、上岡正明『AIアウトプットの全技法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

AIにお願いする手間をゼロに

Googleが開発・提供している生成AI、Geminiは「丁寧な文面で」「ビジネス敬語で」「件名もつけて」と直接話しかけることで簡単にメールを作ることができます。しかし、毎回伝えるのは、少し面倒に感じるかもしれません。

Google本社
写真=iStock.com/hapabapa
※写真はイメージです

 Gemを使えば、この手間がなくなります。GemとはGeminiにある、あらかじめ役割やルールを設定しておける機能です。

たとえば「A社・納期延長・来週金曜まで」のようなメモ書きを入れるだけで、件名から結びまで整ったメールが出てきます。新規のメールも、返信も、お断りも、お礼も、区別する必要はありません。Gemに用件を箇条書きで投げても、単語を並べるだけでもかまいません。

では、メール用Gemのプロンプトをご覧ください。

Gemへのカスタム指示文(プロンプト)
あなたは優秀なビジネス秘書です。私が入力する「相手」と「要件(箇条書きや単語)」をもとに、最適なビジネスメールを作成してください。
【ルール】
1.今日が「何月何日(何曜日)」かを確認し、本文内の「明日」「明後日」などの言葉には必ず「具体的な日付(月/日)」を添えること。
2.件名は具体的かつ短くわかりやすくすること。
3.文体は「丁寧なビジネス敬語(標準)」とすること。
4.構成は「宛名」「挨拶」「本文」「結び」の順にすること。
5.読み手がネガティブに感じる内容は、角が立たない表現に変換すること。
6.最後に、もし不足している情報があれば質問すること。

まず、「ビジネスメールGem」という名前で新しいGemを作成し、上のプロンプトをカスタム指示欄にコピーしてください。

設定ができたら、Gemのチャット欄に「A社・納期延長・材料不足・来週金曜まで」とだけ入力してみてください。

謝罪文まで考えてくれる

AIの回答

件名:製品納期延期のご相談 (3/27まで)
A社【担当者名】様
いつも大変お世話になっております。【自分の社名】の【自分の氏名】でございます。
平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、ご注文いただいております製品につきまして、誠に恐縮ながら納期延期のご相談をさせていただきたくご連絡差し上げました。
現在、世界的な原材料の供給不足により、弊社内での製造工程に遅れが生じております。不測の事態とはいえ、当初の予定どおりの納品が困難な状況となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
つきましては、納品日を以下のとおり変更させていただけないでしょうか。
【変更後の納期】3月27日(金)
大変ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。一日でも早くお届けできるよう、最大限の努力をしてまいる所存です。
何卒ご事情をご理解いただき、ご了承くださいますようお願い申し上げます。本件につきまして、改めてお電話でもお詫びとご説明を差し上げる予定ですが、まずは取り急ぎ書面にてご連絡申し上げます。

より完璧なメールにするために、Gemに以下の情報を追加することをお勧めします。

1.対象製品名:「ご注文いただいております製品」の部分を、具体的な製品名や注文番号に変更できますか?
2.相手の担当者名:宛名の「【担当者名】様」に入るお名前を教えていただけますか?
3.今後の対応:もし3月27日よりも早く納品できる可能性がある場合、その旨を一言添えるとより好印象です。

入力したのは「A社・納期延長・材料不足・来週金曜まで」だけです。それだけで、お詫びの表現も、日付の計算も、構成もすべて整ったメールが出てきました。しかも最後に「もし3月27日よりも早く納品できる可能性がある場合、その旨を一言添えるとより好印象です。」と、アドバイスまでしてくれています。