※本稿は、米井嘉一『食べて若返る!』(さくら舎)の一部を再編集したものです。
「メタボ脳」になってしまう仕組み
脂質をとり過ぎるのはよくありませんが、「脂質ゼロ」を目指す必要はありません。脂質は、細胞膜やホルモン、血液成分などの材料になるほか、効率のよいエネルギー源でもあります。老化を防ぎ、若さを保つためにも欠かせない栄養素です。大切なのは、量と質のバランス。PFCバランス(2:2:6)を超えない範囲で、「よい脂質」をとることが大事です。
脂肪の主成分である脂肪酸には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があります。飽和脂肪酸は、肉の脂身やラード、バターなど、畜肉系の動物性脂肪に多く含まれ、常温で固まりやすいのが特徴です。こうした動物性脂肪をとり過ぎると、脳の「報酬系」が乱れてしまいます。報酬系とは、食べて「美味しい」「うれしい」と感じる快楽の回路のこと。
動物性脂肪を習慣的にとり過ぎると、脳内のドーパミン受容体がうまく働かなくなり、満足感を得にくくなります。そのため、脂っこいものを食べても食べても物足りず、「動物性脂質依存症」に陥ることがあるのです。さらに、脂肪のとり過ぎは「食欲中枢」にも影響します。
食後に分泌されるホルモン「レプチン」は、脳の視床下部に働いて食欲を抑えますが、動物性脂肪をとり過ぎるとこの働きが鈍くなり、食欲が止まらなくなってしまいます。このように、動物性脂肪のとり過ぎは、脳を2つのルートから狂わせ、「満足できない脳=メタボ脳」にしてしまうのです。
ポテチを食べ始めると止まらなくなる理由
もちろん、肉はたんぱく質源として大切です。脂肪分の少ない赤身を選び、摂取量をコントロールしましょう。また、ポテトチップスやカップ麺などのスナック類にも、動物性脂肪が使われていることがあります。食べはじめると止まらなくなるのは、こうした脂質依存の影響かもしれません。糖質やカロリーも高いため、なるべく控えるようにしましょう。
脂肪酸のもう一方、「不飽和脂肪酸」は、サラサラとした液体状で、「一価不飽和脂肪酸」と「多価不飽和脂肪酸」とに分かれます。「多価不飽和脂肪酸」は脂肪酸の種類によって、さらに「オメガ3系脂肪酸」と「オメガ6系脂肪酸」に分かれます。
それに応じて、「一価不飽和脂肪酸」は「オメガ9系脂肪酸」とも呼ばれます。わかりやすくいえば、不飽和脂肪酸には「オメガ3系」「オメガ6系」「オメガ9系」の3系統があるということ。それぞれの代表的な脂肪酸と、それを多く含む食材をご紹介します。
・オメガ6系脂肪酸……リノール酸(紅花油、ごま油、大豆油、コーン油などの植物油。米や小麦などの穀物にも含まれる)
・オメガ9系脂肪酸……オレイン酸(オリーブオイル)、エルカ酸(なたね油)

