「営業が強い会社」は本当に正しいのか

2039万円――日本人の平均年収460万円(2023年)の、約4.5倍。これは、ある日本企業の平均年収である。平均年齢は34.8歳。日本人の感覚では、信じがたい数字だろう。

その会社の名は、キーエンス。

世間がこの会社について語るとき、議論はいつも年収の話で終わる。「異常な高給」「特殊な会社」「ブラックなのではないか」「営業がすごいらしい」――。しかし、その表層の議論の下に、本稿が日本の経営者に伝えたい構造がある。それは、キーエンスという会社が、26年から始まったフィジカルAI時代において、世界で最も決定的なポジションの一つに立っている、という事実である。

(写真=Wikimedia Commons)