将来が予測できなければ「自己効力感」はない

心理学には「自己効力感」という概念がある。これは、人がある目標を持ったときに、「自分は必要な努力をすれば、それを達成できる」と思える力を指す。

清水研『こころの傷つきをなかったことにしないでください』(KADOKAWA)
清水研『こころの傷つきをなかったことにしないでください』(KADOKAWA)

自己効力感が高い人は、新しい仕事、趣味、資格の取得など、さまざまな場面において、少々の困難が予測されても、「自分ならきっとうまくできるだろう」と考えて、楽観的に取り組むことができる。

一方で、自己効力感が低い人は、困難な課題があると、「きっと自分はうまくできない」と悲観的に考えてしまって失敗してしまうか、あるいは挑戦自体を避けてしまうかもしれない。

きっとこのころの加茂さんは「自己効力感」が高かったのだろう。勉学だけではなく、中学では吹奏楽部でクラリネットを担当していたそうだが、「自分が努力すればこれぐらいのレベルには行けるな」という予想を立てることができて、実際に結果もそのとおりになることが多かったそうだ。

彼女が進学した高校はある大学の付属高校であったが、行きたいと思った別の大学を目指して、受験をすることにした。しかし、高校3年生のときに体調が著しく悪くなり、発熱、腹痛、食欲不振に悩まされた。

そして、それまでの経験とは異なり、彼女の受験の計画は思いどおりには進まず、浪人することになった。

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