養子案への反対派を抱えつつ、党の見解をまとめた中道改革の笠浩史国会対策委員長は、会議の中で「国民の理解を得るべく、要件・手続きなどについて慎重な制度設計を行わなければならない」とくぎを刺した。
笠氏は同時に、悠仁さまの次代以降の皇位継承について「悠仁さまのご年齢やご結婚を巡る状況を踏まえ、女性天皇の是非なども含め、議論を深めていかなければならない」と問題提起した。その通りだろう。
「女系天皇も認める方がよい」は64%
皇室典範改正についての世論の動向は、与野党協議の内容とはかけ離れ、噛み合っていないともいえる。
読売新聞の25年12月の皇室に関する世論調査(9~10月、郵送方式)によると、皇室典範を改正し、女性天皇を認めることに「賛成」と答えた人は69%に上り、「どちらともいえない」が24%、「反対」は7%にとどまった。「女系も認める方がよい」は64%で、「男系を維持する方がよい」の13%を大幅に上回る。「どちらともいえない」は22%だった。将来、皇位継承が難しくなる不安を「感じる」は68%で、「感じない」の31%を上回った。
愛子さまや佳子さまへの国民の信頼感と親愛の情が大きいということだろう。
5月の読売新聞世論調査(22~24日)では、女性皇族が結婚後も皇室に残ることに「賛成」が75%、「反対」は14%だった。女性皇族が結婚後も皇室に残る場合、夫や子どもも皇族とすることに「賛成」は52%、「反対」は35%だった。旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎え入れることに「賛成」は49%で、「反対」の37%を上回っている。
「立法府の総意」は、必ずしも「国民の総意」(憲法1条)とならないのではないか。
衆参正副議長は6月2日、取りまとめの原案を協議した。皇族数確保策の2案を「基本的に妥当」とした原案を修正し、「了とする」との表現を用いて容認する方向で最終調整に入った、と報じられた。
大島理森元衆院議長は、6月1日の読売新聞のインタビューで、こう語っている。
「国会には、総意を探る責務がある。概ね合意できた点と意見が違う点を整理し、意見が違う点は理由とともに説明し、明らかにすることが必要だろう」「政府がもう一度、有識者の意見を聞いたり、幅広く国民の意見を聞いたりすることがあってもいいと思う」
6月3日の読売新聞では、小田部雄次静岡福祉大名誉教授が「姻戚関係が大きく変わる養子案を、皇室全体の意向を無視して進めるのは不適切だ」「家長の天皇陛下のお考えを適切に確認する必要がある」と主張する。
高市政権にこうした声が届くことがあるのだろうか。

