未婚の女性皇族は、天皇家の長女愛子さま(24)、秋篠宮家の次女佳子さま(31)、三笠宮家当主の彬子さま(44)、妹の瑶子さま(42)、高円宮家の長女承子さま(40)の計5人だ。
女性皇族の自己決定権を認める意義は小さくないが、皇室に残りたくない場合は、精神的圧力を感じられるのではないか。
秋篠宮さまは2024年11月の59歳の誕生日の記者会見で、当時の国会で議論されていた女性皇族が結婚後も皇室に残る案に触れ、「皇族は生身の人間。(制度変更で)どういう状況になるのか、宮内庁のしかるべき人たちは、(女性皇族の)その人たちがどういう考えを持っているか知っておく必要がある」と述べられた。この言葉は重い。
女性皇族の夫や子に皇族の身分を付与するかどうかは、原案では明記を見送り、皇室典範改正案の付帯決議に「適時適切な措置を取る」と書き込むことを提案する方向だ。
夫と子に皇族の身分を付与しないと、女性皇族と一般国民が一つの家庭を営むことになる。皇族は皇室経済法によって非課税の皇族費を受けられるが、基本的人権はかなり制限される。その夫や子には政治・経済活動の自由があるが、納税義務もある、という不自然な家庭になるのではないか。
「いざとなったら彬子さまを考える」
旧宮家との養子縁組案については、皇室典範9条に「天皇及び皇族は、養子をすることができない」とあるため、これを改正する。
養子縁組は、皇族と旧宮家の男系男子の双方の自由な意思(合意)によって成立する。原案では、1947年に皇室を離脱した旧11宮家の男系男子に限って養子の対象とする。
未婚の男系男子を抱える旧宮家は、賀陽、久邇、東久邇、竹田の4家で、対象者は11人いるとされる。その全員が天皇家との共通の祖先は室町時代の崇光天皇まで600年も遡る。親の数代前から民間人で、皇統に属したことはない。
原案には、国民の理解を得るため、慎重な制度設計の必要性を明記する。具体的には、養子対象者の年齢(15歳以上)や養子を迎える皇族の範囲、養子自身は皇位継承者とならないことなどを列挙し、必要があれば「一定年数ごとに見直す」と言及するという。
養子を迎える皇族(養親)はどなたになるのか。候補として、常陸宮さま(90)、寬仁親王妃家信子さま(麻生氏の実妹)(71)、三笠宮彬子さま(44)、瑶子さま(42)、高円宮久子さま(72)、承子さま(40)の6人が挙がる。
皇室典範改正に携わってきた閣僚経験者の一人は「養親の候補は、常陸宮さまだ。いざとなったら彬子さまを考える」と明かす。生まれながらの皇族ということも考慮される。
だが、常陸宮さまに20代の旧宮家男子が養子入りする場合、帝王学を直伝する親子関係は成り立たず、宮家を維持して皇族数を増やすためだけの不自然な縁組にならないか。
彬子さまのような未婚の女性皇族に対し、民間人の男性が「男系維持」のため、将来の当主候補として家庭に入り込んでくることを受け入れさせることができるのか。
養子案は、明らかに現実味に欠ける。生身の人間である皇族方の自己決定権や心理的負担をあまりにも軽視してはいないか。養子候補に手を挙げた民間人は、メディアやSNSから経歴や交友関係が徹底的に洗われ、非難・批判の対象になるリスクも大きい。
養子縁組は、時限立法の特例措置なのか、恒久的制度にするのか。これも改正案作成時の論点になる。旧宮家のみに皇族の資格を与えるのは、どちらにせよ、憲法14条が「社会的身分又は門地により、差別されない」とする規定違反の疑義がある。仮に恒久化するなら、違憲の疑いが一層強まるだろう。

