「誰も断らない」医師は、迷い続ける覚悟を決めた医師だった

現代の医療にはさまざまな選択肢がある。ただ、「医療をどこまで介入させるか」という問いに、明確な答えはない。

いまだに「高い医療費を投じて高齢者を生かす意味があるのか」という声は定期的に浮上するが、生死の問題をコストと結びつけて議論すること自体、そもそも危うい。

水野さんは、これについてどう考えているのだろう。

「どこから意味がないことなのかっていう線引きを医者がしてしまうのは、医者のおごりやと思う。『そんなことしても意味ない』って言い出したら、タバコ吸うのも意味ないし、酒飲むのも意味ないし、みんな意味ないことになってしまうやろ。確かに医者として思うことや考えることはあるし、説明するべきことはするけど、意味があるかないかっていうよりも、その人が何を望んでるかっていうことを優先すべきやと僕は思います」

 「患者のニーズに応えるのが医者の仕事やと思ってる」と話す
筆者撮影
「患者のニーズに応えるのが医者の仕事やと思ってる」と話す

水野さんは本人や家族の決断を、医療者として支えるだけだ。大切なのは、あくまでも自己決定。「誰も断らない」とは、医療と患者の希望の間で迷い続ける覚悟を決めているということなのかもしれない。だからこそ水野さんは、今日も迷い、葛藤する。

【関連記事】
【あわせて読む】あの時、警察に捕まって本当によかった…覚醒剤で少年院→医師になった男性が捨てられなかった"父の言葉"
【写真をみる】悪ガキ時代の水野医師
パカッと開けて週に1、2個食べるだけ…がん専門医が勧める「大腸がんを予防するオメガ脂肪酸たっぷり食品」
食前に「たった一杯」飲むだけで肝臓の脂肪を落とせる…専門医の中では常識「食物繊維、発酵食品」あと一つは?
"ヨボヨボ化"を進めるのはラーメンでもパスタでもない…血管・歯・腎臓を同時に壊す「最悪の麺」の正体