※本稿は、栗原大智(総監修)『#3大やめとけー21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』(高橋書店)の一部を再編集したものです。
「へぇ!」と思う健康情報を信じるのはNG
インパクトある健康情報の99%は根拠が不明
「論文引用がない=必ず嘘」ではありません。ただし、引用論文がない時点でその健康情報は“検証不能”な情報になり、健康分野では時間や労力のむだ、あるいは健康被害の原因になりかねません。
実際、世界的に権威ある医学学術誌「JAMA」は、1997年に医療情報の最低基準として「引用論文の明記」を打ち出しました。
一般的な医学健康情報の発信者には、ビジネスの側面があります。テレビなら視聴率、本なら売上、SNSなら再生数やいいねの数が求められ、世の情報は「え? そうなの?」という意外でインパクトがあるものに偏ります。
しかも、誤情報の方が速く・広く拡散するという論文があります。たとえ有名な医師や整体師が発信する情報であっても、引用論文がない健康情報は、フェイクや発信者の「思い込み」と変わらないと考えてください。そして、現状はそんな情報が99%くらいだという印象です。
例えば「肩こりの原因は手首にある」と聞いたら「え? 本当?」って思いませんか?
YouTubeでこの主張をしている整体師さんは多いのですが、根拠として論文が引用されたのを見たことはありません。おそらく、どこかの整体師さんが最初に「思いついて」広まり、業界的に常識になってしまった例だと考えています。
こういう例が実は医療・健康業界にはとても多いのです。医学論文の引用がない情報は信じない。そういう情報を出す人は信じない。これに尽きます。ぜひ、実践してみてください。
整体、カイロ、ストレッチにご用心
やってもらう治療にはエビデンスが少ない
筋肉や関節に痛みがあるときの、整体、カイロプラクティック、マッサージ、電気治療など「やってもらう治療(受動的治療)」には驚くほどエビデンスが少ないです。
一方で受け身ではない治療(能動的治療)の「セルフリハビリ・セルフエクササイズ」や、医学的には「運動療法」と表現される治療には、多くのエビデンスがあります。これは世界共通で、腰痛、頸部痛、五十肩、変形性関節症などのガイドラインで見られます。
これには3つの要因があると考えています。
①筋肉は自ら縮む「能動的活動」でしか成長しない
筋肉や関節の痛みの原因となる筋力不足やバランス不良を改善するには筋肉を動かすのが必須。受動的治療では改善しません。
②「痛み」は自分しか認識できない
痛みを共有できない他人の施術では、瞬間的に強い力が加わる危険性を伴います。頸椎の施術で大事な動脈が傷んでしまい(椎骨動脈解離)脳梗塞を発症した例も複数報告されています。
③施術者が医師でないため医学的根拠が不足
医師以外が行う「施術」では、施術者の経験が「医学研究」に反映されにくいため、医学的根拠が提示されないまま「効果が期待できる」として患者さんに説明されやすくなります。
「やってもらう治療」はあくまで補助。「能動的治療」、つまりセルフリハビリ・自分で動かすことが大事。治す主役は、あなた自身です。

