「世界の警察官」ではなくなった

だが、それよりも重要な論点がある。それは、日本の周辺で米国や日本が攻撃を受けてからの対応ではなく、戦争が始まる前の対応だ。米国が見定めているのは、有事が発生してからの対応だけでなく、有事以前の安全保障体制の構築なのだ。

まず、米国の安全保障における方針転換について詳しく確認したい。米国が同盟国を無条件に守る「世界の警察官」をやめたのは、トランプ氏の気分ではなく、戦略文書に書き込まれている。

2026年1月23日に米国防総省が公表した国家防衛戦略(NDS)は、本土防衛とインド太平洋を最重視し、第一列島線に強い拒否的防衛を築くとする。そのうえで、同盟国・パートナーに、より大きな負担と自国防衛の役割を求めた。