●南田さんの悩み
【家族構成】[夫]65歳 元大手企業管理職[妻]63歳 専業主婦[長女]36歳 独立[次女]32歳 契約社員・同居【月収(手取り)】夫 25万円[厚生年金+企業年金]、妻 なし
【貯蓄額】
2000万円【ローン残債】500万円(住宅ローン300万円+自動車ローン200万円)

65歳になって再就職先を退職し、年金生活がスタートしたばかりの南田さん。今までは再就職先の給与が月に35万円あったが、年金生活になってからは厚生年金と企業年金を合わせて月25万円にダウン。生活費の不足分は貯金から補っている。

60歳時点で退職金2000万円を受け取ったものの、夫婦で何度か海外旅行に行ったり、以前から欲しかった高級外車を買ったりして1000万円ほど使い、現在、残っている老後資金は現役時代に貯めた資金と合わせて約2000万円だ。

最近は長女が孫を連れて遊びにくるのが1番の楽しみで、孫の私立進学費用ぐらいは援助してやりたいと思っている。来年には次女も結婚する予定で、いずれ親子3代全員揃って旅行に行くのが夢だ。とはいえ、現在の老後資金で本当に足りるのか、少し気になり始めている。

●ファイナンシャル・プランナー 浅田里花さんのアドバイス

1000万円、2000万円という退職金は、ほとんどのサラリーマンにとって初めて手にする大金だ。働き続けたご褒美として一部を楽しみに使うのは当然としても、気が大きくなってどんどん使ってしまうのは厳禁だ。夫婦で豪華な海外旅行に行ったり高級車を買ったりすれば、虎の子の老後資金が100万円単位で飛んでいってしまう。

南田さんの場合は、憧れの高級外車を買うのに自動車ローンを組んだため、現時点で200万円の残債がある。このほか、住宅ローンも300万円残っているため、老後資金が2000万円あるとはいえ、必ずしも安泰とはいえない状況だ。