●北川さんの悩み
【家族構成】[夫]65歳 元公務員[妻]65歳 元公務員[長女]32歳 離婚により同居[孫]5歳、3歳【月収(手取り)】[夫]21万円(共済年金満額受給)[妻]20万円(共済年金満額受給) 計41万円【貯蓄額】3000万円(ローン残債なし)
夫婦揃って公務員として定年まで勤めた北川さん夫婦。年金額は2人合わせて41万円もある。やっとのんびりした生活を送っていたところに、離婚した1人娘が幼児2人を連れて帰ってきた。娘はお金を家に入れることもなく、生活費はすべて北川さんに頼り切りの状態だ。
とはいえ孫は可愛い盛りで、北川さん夫婦はできる限り自分たちで面倒を見てやろうと心に決めている。老後資金としては3000万円の蓄えがあるが、そのうち500万円は投資信託。銀行で勧められるまま退職金のうち1000万円を投資したものの、すぐに値下がりして半分になってしまった。これをどうするかも頭の痛い問題だ。
●ファイナンシャル・プランナー 浅田里花さんのアドバイス
これだけ年金額がある北川家では、本来なら文字通り悠々自適の暮らしを送れるところ。家族が3人増えた今でも、貯金を取り崩すことなく生活ができている。ただし、将来のことを考えると抱える問題は大きい。
孫が成長すれば、教育費はどんどん増えていく。現在でもお稽古事やスイミングスクールなどに月4万円を負担しているが、これが増えれば家計は赤字になるのが確実。
それよりもっと重要なのは、北川さん夫婦がいつまでも娘と孫の面倒をみてやれるわけではない、ということだ。
もし夫婦のどちらかが亡くなれば、今までのようにアテにできなくなる。現在の老後資金3000万円は北川さん夫婦2人だけで使うなら余裕ある額だが、娘と孫の将来の生活まで支えるには到底足りる金額ではない。