大学病院はあくまで研究・教育機関

一般論としては、疾患がひとつだけの場合や重篤度が高い場合は、大学病院や総合病院、専門病院へ。臓器別診療で専門性が高く、先端機器や入院設備が整っているところが多いです。先端医療を提供し急性期医療を担っていることもあり、原則として初診のときにほかの病院からの紹介状が必要です。紹介状がないと追加料金を請求されます。

世の中には大学病院に非常な信頼を寄せ、「大学病院なら最高の医療を受けられる」「大学医学部の偉い教授に任せておけば安心」というイメージを持っている人が多いようですが、それは誤解です。

大学病院には臨床のほかに、研究と教育という側面があり、海外で大学病院というと、患者は研修医の練習台になったり、研究の対象になるというリスクを覚悟のうえで受診します。だから、一般の病院より医療費が安く設定してあることがほとんどです。

ところが日本では、なぜか大学医学部の教授に絶大な信頼が寄せられていて、東大医学部の教授なんていったら天才かのごとく尊敬されています。

しかし、偏差値の高い大学ほど、腕のいい医者が教授になれるとは限らないのです。なぜなら、そういった大学で教授になるには多くの研究論文を書かなければならず、臨床の腕を磨いているヒマなんてないからです。

一方で、それほど偏差値が高くない私立医科大学の附属病院には、腕のいい医者が多い傾向があります。病院に患者が集まらないと経営が成り立たないため、臨床技術の高い医者をどんどんスカウトしているからです。

とはいえ、どこの大学病院も教育施設には違いないので、ベテランのサポートはありつつも若手の医者が執刀する場合もあるということは、認識しておいたほうがいいでしょう。

複数の不調や持病があるならクリニックで

臓器別診療の大学病院や総合病院では、「病気が治る」とはその臓器の状態が良くなることであり、治療が終わるころにはほかの臓器に支障を来していることもあります。たとえば、抗がん剤と外科手術でがんが寛解したとしても、体力を消耗して体全体に不調が表れることもあり得ます。

また、疾患が複数ある場合は、大学病院や総合病院はあまり向いていません。ひとつの病院の中でいくつもの診療科を渡り歩くことになり、それぞれに薬や検査があるので、多剤併用やエックス線検査、CT等の重複による医療被曝も心配です。

和田秀樹『健康診断の数値におびえず楽しく生きる50の心得』(オレンジページ)
和田秀樹『健康診断の数値におびえず楽しく生きる50の心得』(オレンジページ)

こういった場合は、地域のクリニックがいいでしょう。日常のちょっとした不調や持病を、長期にわたって見守ってくれる「かかりつけ医」です。

ちゃんと選べば、高額な最先端機器などはないかもしれませんが、その分、ひとりひとりの患者に向き合い、個人差を考慮しながらその人にちょうどいい医療を提供してくれます。総合診療医であれば、さまざまな不調をワンストップで診てくれるので、薬や検査の重複を避けられて安心です。

ただし日本ではまだ数が少ないのが問題ですが。かかりつけ医では手に負えないような疾患が疑われる場合は、その分野に詳しい専門病院や大学病院、総合病院などを紹介してもらえます。

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