約7%の子どもは漢字が読めない
「学習障害」(LD)の一種、「発達性ディスレクシア」の人は、生まれつき字の読みに困難を抱え、後天的におぼえることが非常にむずかしいという。その「発達性ディスレクシア」の専門家・宇野彰氏らが小学生を対象とした調査では、文字を読めない(書けない)子どもの割合は次のようになった。
・かな文字の読字障害(読みの困難) 0.2%
・漢字の読字障害 6.9%
・漢字の書字障害(書きの困難) 6.1%
(Akira Uno, Taeko N. Wydell, Noriko Haruhara, Masato Kaneko & Naoko Shinya “Relationship between reading/writing skills and cognitive abilities among Japanese primary-school children: normal readers versus poor readers (dyslexics)”, Brain and Development, Vol.31, pp.571–577, 2009)
漢字を「全然読めない」子どもと「すらすら読める」子どもの違いとは、それほど明確なわけではない。「どちらかといえば苦手」なグレーゾーンの子どもまで含めれば、その割合はもっと高くなるだろう。
個々人の努力の問題ではなく、持って生まれた特性や生育環境によって、文字や紙の本を読むのがしんどいと感じる人たちは少なくないのだ。
漢字が読めない人は多読者の約2~4倍
対して、書籍を1カ月に7冊以上読む多読者は、文化庁「国語に関する世論調査」によると青年以上では全体の2~3%しかいない。
つまり、漢字の読み書きが苦手な人は、いわゆる本読みより、少なく見積もって2倍から4倍くらいはいるのである。
私の知り合いにも、大人になってから「発達障害と学習障害がある」と診断された、漢字が書けないマンガ編集者がいる。上司にカミングアウトしてもネチネチいやみを言われるだけで配慮してもらえず、その後、理解のある職場に転職した。
「活字の牙城」とみなされているであろう出版業界にさえ、読みや書きに困難を抱えるひとがいるのだ。

