「モンハン」の進化が止まらないワケ

「デフレスパイラル」の警鐘から16年が経った現在。稲船氏が「かろうじて」と嘆いたカプコンは、いまや業界屈指の安定企業だ。ゲームデベロッパーは2024年8月、同社が2023年に販売記録を更新し、好調を維持していると伝えた。大規模な損失も出していなければ、海外大手スタジオのような人員削減もない。かつて北米事業で大きく躓いたカプコンだったが、今では業界の安定を象徴する存在に映ると同メディアは評している。

こうした安定性は、腰を据えた長期開発のスケジュールによって実現した。ゲームデベロッパーの取材によると、『モンスターハンターワイルズ』の開発期間はおよそ5〜6年に及ぶ。

アートディレクターの藤岡要氏によれば、開発チームはその間に『モンスターハンターライズ』と拡張版『サンブレイク』も手がけていたという。同じ顔ぶれが複数のタイトルをまたぎ、知見を重ねていく体制だ。プレイヤー層が広がるにつれ応えるべきニーズも多様になり、開発期間はさらに延びたが、作品はファンの期待に高いクオリティーで応えた。

ゲームをする人
写真=iStock.com/gorodenkoff
※写真はイメージです

強い指導力を備えたカリスマ的ゲームデザイナーの下に、安定した雇用環境に支えられた開発メンバーが集う。こうした理想的な体制が、日本発タイトルの高いクオリティーに一役買っているようだ。

【関連記事】
「出光は社員を1人もクビにしない」経営難でも1000人以上を雇い続けた出光佐三の不動の"経営哲学"
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた
新大阪駅から15分なのに巨大廃墟がそびえる…「消えた終着駅」が映し出す昭和のニュータウンの栄枯盛衰
「日本の新幹線」を売らずに済んでよかった…「走るほど大赤字」インドネシア新幹線を勝ち取った習近平の大誤算
手作り弁当550円、おにぎりは今でも110円…セブン、ローソンがマネできない吉祥寺「個人コンビニ」の地味な戦略