チェーン店だらけになった
緑道など自然も多い街ですが、ベンチやイスには限りがあり、土日は遊びに来た人々が座るため、地元の人が集ってゆったりできるようなスペースは意外とありません。
おしゃれカフェやレストランなどの飲食店や美容室、ネイルなどの店も多数ありますが、比較的高い店も多く、普段利用をし続けるにはちょっと高いということもあります。
八百屋や肉屋などの専門店は少なく、スーパーも比較的高級なスーパーが出店しているため、大衆レベルでの日常使いがしづらいという面もあります。
公示地価を見ると、06年には485.21万円/坪だったのが16年に680.17万円/坪、25年には1109.09万円/坪と10年間で2.3倍に上昇しています。家賃も高くなり、25年の平均坪家賃は3万6138円と、23年の2万7608円の1.3倍です。これでは資本力のある大手企業しか出店できなくなり、街にはチェーン店が増えるという結果になってしまいます。
実際に街にはそのような店がかなり増えました。賃貸の家賃もワンルーム13万前後、1LDKで23万前後(複数の家賃相場)(※)と周辺地域と比べても高いので、自由が丘は住みづらいというのが現状です。
※LIFULL HOME’S「自由が丘駅の家賃相場情報」
街の名物が次々と消えた
ここ数年、そんな自由が丘に最近、新たな流れが起きています。
自由が丘のシンボルでもあった「自由が丘スイーツフォレスト」は24年12月に休園(事実上の閉館)し、建物はそのまま残り廃墟のようになっています。
自由が丘の顔でもある「ナボナ」で有名な亀屋万年堂は、21年にシャトレーゼに買収され完全子会社化されました。
そして昨年2月20日、自由が丘で長年商売をしてきた不二屋書店が閉店しました。私にとっては書店と言えば不二屋というほど、学生時代からよく通った街の本屋でした。
自由が丘駅正面口のロータリーのはす向かいにあったので、まさに街の一等地にあった店がなくなるというのは、私にとっては街の象徴が消えることであり、とても驚いたことを覚えています。
「不二屋書店」が開業したのは1922年(大正11年)。奥沢(自由が丘の隣町)で店を始め、1929年に自由が丘に移転されたそうです。同店が自由が丘移転後96年、創業102年の歴史に幕を閉じたのです。
店の貼り紙には「万策・力ともに尽きてしまいました」という店主の言葉が紹介されていて、私も胸が締め付けられる思いでした。そして、私的には「私のよく知る自由が丘が終わった」という感じを受けた出来事でもありました。
不二屋書店閉店後、そこにはドーナツの人気店「I’m donut?(アイムドーナツ?)」がオープンしていました。書店からスイーツへ。まさに街の象徴が入れ替わったような現象です。


