パワー層が個人で自由に使える金額

パワー層と、一般層のお金事情を比較してみたところ(図表4)、パワー層の1カ月の生活費(税込)平均は44.7万円、一般層は25.6万円であり19.1万円の開きがありました。

【図表4】1カ月の生活費(税込)
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

また、パワー層が1カ月に自由に使える個人のお金(税込)平均は18.4万円、一般層は8.2万円であり、こちらも10.2万円の開きがあります。

パワー層は生活費が1.7倍多く、自由に使える個人のお金も2.2倍多いことから、この差が豊かな購買力の高さにつながっていることがうかがえます。

貯蓄に関して、パワー層の収入に対する貯蓄割合は26.0%、一般層は14.4%であり両者に11.6ポイントの差がありました。

貯蓄目的を調べると、パワー層と一般層の差が顕著だったのは「資産運用や投資のための資金(18.1ポイント差)」、「旅行のための資金(11.6ポイント差)」、「老後の資金(9.6ポイント差)」であり、逆に一般層の回答比率が高かったのは、「生活のための資金(生活費の補填)(▲8.5ポイント差)」、「子どもの教育資金(▲5.2ポイント差)」でした(図表5)。

【図表5】貯蓄の目的
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

パワー層では投資や娯楽を目的とした貯蓄、一般層では生活や教育にかかる資金のために貯蓄をしている姿が見えました。

パワー層が求める商品の価値観

この回ではお金/購買力をテーマとして、生活者調査のデータを基に、日本人の貯蓄・投資傾向、購買力の高い層(富裕層・パワーファミリー)の実態を見てきました。

この10年、日本の家計は「貯蓄から投資へ」。若年層で投資参加が急伸し、年代差は縮小してきています。

全体は“全世代投資”へシフトしたと言えるでしょう。他方では、高齢層の一部は手仕舞い傾向が見え、運用姿勢の二極化が進むと考えられます。

次に購買力の高い層を見ると、富裕層は京浜の都心部集中。招待制のブランドイベントや外商サロン、別荘滞在など“限定性×体験”に価値を置き、商品選択への強い「こだわり」、自分の快楽や成長など「自分軸」への投資、他者との違いや同じ富裕層同士の「ステータス志向」が購買へのスイッチになっています。

パワーファミリーは共働きであるがゆえ、ロボット掃除機や乾燥機、代行サービスなどタイパ投資が進み、余暇は旅行や自己研鑽に配分している姿が見て取れました。

家事や子育ては夫婦協力型で、家電・サービスに“段取りの良さ”を求める傾向が強いことがわかりました。