※本稿は、松田康生『お金の世界を可視化する 教養としてのビットコイン』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
お金の価値が下がるとビットコインは上がる
【松田さん】ビットコインの価格を考えるときは、日本の通貨・円だとか米国の通貨・ドルとかと、ビットコインというお金の交換比率である「為替レート(*1)」だと考えると、さらに価格高騰の背景がよくわかります。仮想の国、ビットコイン国の通貨・ビットコインが登場したと。
【アワタニ】……空気読まずに言うと、ビットコイン国なんて存在しませんよね。
【松田さん】あくまでたとえですよ。まずニュースでよく見かける「ドル円」は、米国のドルの価値が上がったり下がったり、日本の円の価値が上がったり下がったりして決まる為替レートですよね。でも、ビットコインには供給量に上限がある一方で、その交換相手であるドルや円などは長期間、大量に供給され続けてしまった。これがビットコインの価格高騰に、大きく影響したんです。
【アワタニ】ドルや円の量が増えればビットコインの希少価値が上がる、つまりドルや円の価値が下がってビットコインの価格は上がるということですかね。
円が下がって株や金も上がった
【松田さん】そうです。平たく言うと、お金を円で持っていると価値が下がりそうなのが嫌でビットコインに交換(円売りになっている)した、ってことでして。ビットコインの価格が上がった裏には、円の価値が下がり続けている事実があるわけです。
【アワタニ】なるほど。でも「円の価値」って言われても、1万円は1万円ですよね。
【松田さん】たとえば、コロナ禍前までは5000万~6000万円もあれば東京23区でもマンションを買えましたが、いまでは1億円以上出さないとなかなか買えないですよね。株も金(ゴールド)も不動産もビットコインも史上最高値を更新したということは、その反対側では円の価値が相対的に下がったということです。
*1 為替レート
異なる通貨を交換する際の交換比率。たとえば1ドル=150円といった具合のもの。変動相場制では、需要と供給のバランス、各国の経済状況、金利差などによって日々変動する。


