日本の教育が影響している?
【松田さん】日銀総裁になった植田和男さんなんて、数少ない「近経」の人でしたから。きちんと調べたわけではないですが、京大はさらに「マル経」が多かった印象です。そういう部分もあって「マル経」的な考え方は日本人に結構、腹落ちしやすいのかもしれません。
【アワタニ】大手上場企業、総合商社やマスコミ、金融や通信とかのエリート層に人材を送り込んできた東大も京大も……。不思議な感じがします。
【松田さん】もしかしたら影響しているのかも、って思いました。
【アワタニ】そんなの考えたこともなかったです。東大で半々かぁ。
【松田さん】いまは違うでしょうが当時は経済原論A・Bというのがあって、マル経・近経を両方やらないと卒業できないんですよ。僕らの世代は全員、まあ僕なんかはぜんぜん勉強しなかったですが、だいたいの人はあれを勉強して卒業しますから。
【アワタニ】その人たちがいま、一流企業の部長や役員として社会の上層にいるわけですよね。なんなら日本中にいるでしょうから。
【松田さん】そういうのも多少、日本人のメンタリズムに影響しているかも、なんて気もします。私の上の世代も同様の教育を受け続けたはずなんで。ビットコインも、ひと昔前は「根源的価値(*8)とは」といった議論がさかんだったくらいで。
【アワタニ】出ましたね、しんどい言い回し。
【松田さん】「ビットコインの根源的価値は何か」という議論になると、コストについて語り始めがちで。投入された電力だとか使っているコンピュータとか機械だとか、さらにネットワークの価値だとか、もう何の話をしているかよくわからなくなるんですよね。投入コストから価格を求めようとした時点で、すでに間違っている。ビットコインの価格は市場で決まりますから。
*8 根源的価値
あるモノが本質的に持つ価値のこと。たとえば金(ゴールド)は工業用途があるため、根源的価値があるとされる。


