言語が異世界人タイプ
同じ言語で話しているはずなのに、相手の言っていることがさっぱりわからない――。それは文化、世代、信条など、対話相手との前提が大きく異なるときに起こりうる現象だ。津田氏は「前提が違うのは、お互いのOSが違うようなもの」と指摘する。
「とはいえ、OSが違っても仕事はできます。必要なのは自分の考えを伝えたうえで、『相手が何をしたいか』を明確にすること。目的さえ共有すれば、前提のズレを無効化できるはず」(津田氏)
「相手の視点」に注目すべきと説くのは西氏だ。
「相手がどういう世界を見てるかを考えて、視点を増やしていくことが大事です。知らない人から『あなたは成長したほうがいいと思います』と言われたら、肯定的なメッセージにもかかわらず受け入れにくい。それは相手の視点を一方的に伝えられ、理解しようという意欲を失うからです。この場合、納得しやすい言い方は『あなたは成長したくないと思ってるかもしれません。ただ、人には成長が必要なときもあります』。相手の視点を認めたうえで、自分の視点も伝える。2つの視点を同時に投げる言語パターンを使うと、異なった前提のズレが解消されやすくなります」(西氏)
文化のギャップに直面することが多かったメイ氏は、ズレを埋める方法として共通項を探すことを大事にしてきたと語る。
「社長時代、社員の名前を全部覚えようとして、ノートに名前と『Aさんは猫好き、Bさんは旅行好き』など、その人の性格や特徴を必ずメモしてました。それは本当に自分が好きではなくてもいいし、嫌いな共通点でもいい。話をするときに『僕も猫大好きなんですよ』と共通点の話題をワンクッション入れると、『自分もそうなんです』という前のめりな反応になります。距離を縮めてから本題に入ることで、ズレが少なくなるのです」(メイ氏)
一方で特にリテラシーの差や世代差がある場合、こたけ氏は「そこから生まれる齟齬を埋めるのはかなり難しい」との見解を示す。
「相手の前提となっている価値観をこちらがどうしても受け入れられない場合、わかり合うのは容易ではないでしょうね。平行線か、どっちかが妥協するしかないので、ほかの5タイプと違って共通の解が見いだしにくい。
こういう人と本当に向き合う必要があるのであれば、社会のルールを持ち出すしかないかもしれません。たとえば、『昔は認められていたんだから今もいいじゃないか』という無理筋な主張には、『今のルールや法律ではダメとされてるんで、従ってください』と言います。持ち出すほどのルールがなくて、全然合わないなと思ったら、わかり合うことを諦めるかもしれません」(こたけ氏)
津田氏も「もしお互いの前提が違いすぎたら、諦めるという選択肢も検討したほうがいい」と言う。
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