1万円でハンバーガーをいくつ買えるか
【アワタニ】うーん、物価が上がったのはわかるんですよ。コンビニでもスーパーでもどんどん値上げしているし、不動産価格も株価も上がっている。でも「お金の価値が下がった」と言われると、とたんにイメージしにくくなるんです。
【松田さん】1万円でハンバーガーがいくつ買えるか、って考えてみるといいですよ。昔は100円だったものが200円になると「物価が上がった」って考え方になりますが、発想を変えて「1万円で買える量が減った」と考えるんです。つまり1万円の価値が相対的に下がっていると。これを「購買力で考える」と表現します。
【アワタニ】えーっと(スマホの電卓を叩いて)1万円でハンバーガー100個買えたのに、50個しか買えなくなった。おおっ、モノに置き換えるだけで1万円の価値が上がったり下がったりするのがイメージしやすいです!
【松田さん】それより短いスパンで、お金の価値は上下しているんです。数年前に80万円だった1BTCが1900万円近くなったのは、ビットコインという発明が認められた一方で、日本の円の価値に不安を持つ人が増えたということ。これは世界的な流れなので、どの政府の影響も受けないビットコインが人気になったのです。
ビットコインの価格は何で決まる?
【アワタニ】同じ金額でも得られるものが増減する(=お金の価値が上下する)ことはわかりましたが、そもそも、なぜ価格がそんなに大きく上下するんですか。
【松田さん】まず、ビットコインにかぎらず、市場経済ではモノの値段は需要と供給で決まります。それなのに日本人は需給で価格が決まることが苦手だって話を、よくするんです。市場[マーケット(*2)]というのは価格を上下させることで需要と供給をマッチングさせるしくみなので、需給で価格が変動します。
【アワタニ】でも、さっきのハンバーガーの例は、みんながハンバーガーを食べたいから値段が上がったとか、食べたくないから下がったとかいう話じゃないですよね。値段を決めるのは需要と供給というより、お店というか本社や本部では。
【松田さん】たとえ本社が価格を決めたとしても、売れなければ値下げせざるを得なくなるでしょ。スーパーで売れ残った1000円(割高)のお弁当が、半額(割安)になった瞬間に売り切れる。これが価格による需給調整機能の一例です。
*2 市場(マーケット)
買い手と売り手が集まって取引が行われる場所。株式市場、為替市場、暗号資産市場など。価格は需要と供給のバランスで決まる。感情や美徳は関係なく利益を追求する場。

