日本人の悪いクセ
【アワタニ】おお、わかりやすい! 廃棄するなら店は原価割れでも売りたいし。
【松田さん】モノの値段とコストをつねに連動させて考える、日本人の悪いクセが出ていますね。たしかに、仕入れ価格やコストも間接的に影響します。でも市場においてモノの値段は、一義的には需要と供給で決まるものです。よく「売りが多い」とか「買いが多い」なんて言われますが、マーケットにおいて売りと買いの数は同じです。どうして数がぴったり合うかというと、価格が上下するからで。
【アワタニ】数が、ぴったり、合う?
【松田さん】たとえば価格が上がると「ちょっと割高」と思われて、売りたい人が増え買いたい人が減る。価格が下がると「安い!」と思われて、買いたい人が増え売りたい人は減る。いわば、ずっとセリを行っているわけです。閉店間際のスーパーでお弁当が安くなるのは、需要が少ないのに供給が多かったということですから。
2025年にコメの価格が下がらなかった理由
【アワタニ】つねに価格が上下する、つまり定価がないって考えればいいのか。
【松田さん】日本人はこの需給の考え方がどうも苦手で、モノの値段はコストの積み上げで決まるって考えるクセがあります。2025年にコメの値段が高騰したときも、二言目には「適正価格」だったじゃないですか。「農家の生産コストがいくら」とか「JAの買入価格がいくらだから価格は下げられない」とか。そうしてコストをどう減らすかの議論を、延々とし続けちゃうんです。
【アワタニ】中間業者が暴利をむさぼっているとか、JAが悪いだとかありました。

