スマホを見ている無駄な時間を減らすにはどうすればいいのか。行動経済学の専門家で青森大学客員教授の竹林正樹さんは「必要なのは根性や我慢ではない。充電場所を変える、画面を白黒にする、SNSを開きにくくするなど、小さな手法を積み重ねることで行動は大きく変わる」という――。

※本稿は、竹林正樹『すぐやる人の脳のクセ!』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

朝、携帯電話のアラームをスヌーズする人
写真=iStock.com/milorad kravic
※写真はイメージです

起きてすぐスマホを見ると疲れが溜まる

「直感」はとても単純です。起きてすぐのぼんやりした時間に「なんだかいい朝だ」と感じられれば、その日1日をポジティブに過ごせるようになります。とはいえ、現実はなかなかそうはいきません。目が覚めた瞬間、反射的にスマホを手に取り、SNSやニュースなどを見てしまう人が多いのです(現在バイアス)。

※現在バイアス……目先の欲に弱く、将来の利益より今の快楽を優先してしまうバイアスのこと

大量の情報が目に入ると、寝ぼけたままの直感を混乱させ、一気に疲れが押し寄せます。理想的なのは、寝室にスマホを持ち込まないことです。しかし、「緊急の連絡が来るかもしれない」「ワンルームだから寝る場所とスマホの距離が取れない」などの問題もあり、むずかしいものです。そこでオススメなのが、スマホの充電コードを短いものに変えること(逆アクセスナッジ)です。

※逆アクセスナッジ……望ましくない行動にアクセスしにくくして遠ざける設計

イラスト
出所=『すぐやる人の脳のクセ!』(飛鳥新社)

コードが短くなることで、スマホはコンセントの近くにしか置けなくなります。結果として、ベッドの中でスマホを使うことがなくなり、「気がついたら手にはスマホ」という状態から解放されます。さらに、コードが短いと絡まりづらく、見た目もスッキリします。

アナログの目覚まし時計に変えると…

これにより物理的にも心理的にも、スマホとの距離を自然に作ることができます。毎朝スマホのアラームで起きているという人は、思い切って「アナログの目覚まし時計」を買うのがいいです。

また、すぐに買えない場合は、解約したスマホやガラケーで代用できます。スマホのアラームを目覚ましにしていると、起きた瞬間に手に取り、そのままニュースやSNSに流れてしまう望まない動線ができてしまいます。

これでは、せっかくの朝のさわやかな時間を情報の洪水で台無しにしてしまいます。アナログの目覚まし時計を使えば、スマホに触れる理由が1つ減り、朝の時間を自分のために取り戻すことができます。音だけで確実に起きることができ、余計な誘惑は一切なし。これこそ、直感に優しいナッジです。

POINT 自制心ではなく、「仕組み」でスマホとの上手な距離を保つ