スマホを手放せないのは仕掛けがあった
赤ちゃんにスマホを渡すと笑顔になり、取り上げると大泣きするという動画を見たことがある人も多いでしょう。これはスマホのカラフルな画面が、視覚的に強い刺激となり、赤ちゃんの直感を興奮させているからと考えられます。同様に私たちがスマホを手放せないのも、「楽しいから」だけではなく、その視覚刺激そのものに、直感が反応してしまっているのかもしれません。
アプリの開発者たちは、ユーザーが夜になると現状維持バイアス(※)が強まることを熟知しています。だからこそ、手放せなくなる時間帯に合わせて、通知やオススメコンテンツを集中させてくるのです。その誘惑に乗って夜にスマホを見続けると睡眠障害や脳の過覚醒を引き起こすリスクがあり、長期的に見るとデメリットのほうが大きくなります。
※現状維持バイアス……「新しいことに手を出して、面倒なことが起きたら嫌」と考え、変化しないことを正当化すること
そこで必要なのが、刺激を鎮静化するナッジです。たとえば、スマホの画面をモノクロ(白黒)に設定すると、途端に画面が味気なく、事務的な印象になります。その結果、キラキラ感が薄れ、スマホに対する魅力が下がり、用事が済めば自然と手放したくなります(反印象ナッジ※)。これは1分でできます。ぜひ試してみてください。
※反印象ナッジ……物ごとや物体の印象を悪くして、魅力を下げることで手放す設計。
〈iPhoneの場合〉設定→アクセシビリティ→画面表示とテキストサイズ→カラーフィルタ→スイッチをOFF
〈Androidの場合〉設定→ユーザー補助→色と動き→色補正→補正モードで「グレースケール」を選択→「色補正を使用」をON
(※設定方法は機種によって異なります。「機種名 画面 白黒」で検索してみてください)
決まった時間に電源を切ることの効果
前述した通り、夜は現状維持バイアスが強まりやすい時間帯のため、一度スマホを触ると手放せなくなります。そんなスマホの誘惑を無効化するために効果的なのは、決まった時間にスマホの電源を切ることです(実行意図ナッジ※)。
※実行意図ナッジ……行動する具体的な計画をあらかじめ決めることで、その場の行動を迷わなくする設計。
一度電源を切ると、またスマホの電源を入れ直すという一手間が面倒に感じるので、行動を抑制する仕掛けになるのです。ちなみに私は、毎日21時になるとスマホの電源を切ります。それでも3日に一度くらいはわざわざ電源を入れてしまうことがあります。でもそれは、3日に2日はスマホを見ずに過ごせているということであり、それは十分な成功なのです。
ここで必要なのは、完璧さをあまり求めず、少しでもできた日には自分を褒めてあげる姿勢です。


