※本稿は、中野崇『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
「とにかく思いきり筋力を使う」は大間違い
思いきり筋力を使うことが要求されるのが、ウエイトトレーニングに代表される筋力向上型のトレーニングだと位置づけた場合、ふだん行うトレーニングがここに偏ると、とにかく思いきり筋力を使うという動き方(=筋力依存型)のパターンがいつの間にか身についてしまいます。
そうなると、「余分な筋力を使わずに大きなパワーを発揮する」という高いパフォーマンスが発揮できる条件からはどんどん乖離していってしまいます。
筋力向上型のトレーニングは、パフォーマンスの向上に不可欠なトレーニングであることは間違いありません。
しかし、一方でパフォーマンスの低下につながりやすい側面も持っているのです。
動きの本質を突き詰めた技術である「身体操作」の核心には、「筋力への依存度」という観点があります。
競技動作の中で同じパワーが発揮できるのであれば、筋力への依存度は高いほうがいいのか? 低いほうがいいのか? その答えは明白です。
・ケガの繰り返し
・疲労
・ボールコントロールの不正確さ
・動き出しが遅い
・上半身と下半身が連動しない
・相手に読まれやすい
これらのデメリットは、筋力への依存度が高いことで生まれるデメリットとまさに一致しています。
実際、プロ選手たちは試合の中で、「いかに少ない力で最大限のパフォーマンスを発揮するか」を重視しています。長いシーズンを通してパフォーマンスを維持する必要性を考えると、当然のことだと言えるでしょう。
ただし、筋力への依存度を減らした結果、発揮できるパワーまで減ってしまっては元も子もありません。
そこで「身体のつながり」や「エネルギーリターン」、つまり身体操作を取り入れるのです。
これらを最大限に活かすことで、従来の「とにかく筋肉を全力で使う」「とにかく筋力を高める」という考え方から脱却し、筋力だけに頼らず大きなパワーを発揮することが可能になります。パワーを減らすことなく、です。

