身体のパフォーマンスを最大化するにはどうすればいいか。スポーツトレーナーで理学療法士の中野崇さんは「ケガを繰り返す選手の多くは、深層筋群の機能が低下していることが多い。深層筋群が適切に機能すれば、身体全体で生み出した力をムダなく道具や地面に伝えることができるためロスがなくなる」という――。

※本稿は、中野崇『最強の身体操作 プロが実践する連動スキルの磨き方』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

鏡の前でポーズをとる女性
写真=iStock.com/mapo
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ケガ予防のために鍛えるべき身体の部位

身体操作の最も基礎となるのが「力の伝達」です。

力の伝達は「身体のつながり」を高めることで向上しますが、そのカギとなるのが深層筋群です。

代表的な深層筋群には、次のような筋肉が挙げられます。

・足部にある長母趾屈筋や母趾外転筋
・股関節の安定に関与する外旋六筋がいせんろくきんや恥骨筋
・背骨の深部にある回旋筋や多裂たれつ
・体幹深部にある横隔膜、腸腰筋、腹横筋、骨盤底筋
・肩関節のローテーターカフ

「筋力への依存度が高い動作」というのは、「深層筋群が十分に機能せず、アウターマッスルが過剰に働いてしまう状態」になっています。そこで、深層筋群を活用することでそれ以外の筋肉への負荷を減らすことができます。

深層筋群には動きの中で関節の安定性を保ち、骨格内での力の伝達をスムーズにする働きがあります。

関節の安定性がスポーツにおいて重要なことは言うまでもありません。

安定性が低いと、力が適切に伝わらずに途中で逃げてしまいます。そのため動作の効率が落ちるだけでなく、ほかの筋肉や組織が(安定性の低い部位を)かばうような働きを強いられます。

もちろんケガのリスクも高まります。実際、ケガを繰り返す選手の多くは、深層筋群の機能が低下していることがほとんどです。