宇宙飛行士たちは無重力空間でどのように身だしなみを整えているのか。3回の宇宙飛行を成功させた野口聡一さんは「宇宙という極限環境では、地上での当たり前が通用しない。貴重な水を使わないで済むように、歯磨きや洗顔、お風呂にはさまざまなルールがある」という――。

※本稿は、野口聡一『宇宙でラーメンは食べられるか 宇宙暮らしのロマンと現実』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

宇宙船の近くで船外活動を行う宇宙飛行士
写真=iStock.com/gorodenkoff
※写真はイメージです

水で口をゆすがずに歯を磨く方法

「第一印象は見た目が9割」「第一印象は3秒で決まる」なんていわれます。真偽のほどはさておき、第一印象が人間関係の構築において重要な役割を果たしていることは間違いありません。

だからこそ、宇宙にいるときも身だしなみは整えておきたいところ。また、身だしなみに気を配るのは、周囲の人へのエチケットでもあります。

そこでここでは、宇宙で身だしなみを整える際のポイントをお伝えしましょう。まずは毎日の身だしなみから。

宇宙では水は非常に貴重です。したがってISS(国際宇宙ステーション)では、歯みがき後に水で口をすすぐことはしません。歯ブラシと歯みがき粉で地上と同様に歯をみがいたら、口のなかの水分はティッシュに吐き出してごみ箱へ。

宇宙では保湿はしっかりやるべし

はじめのうちは水ですすげないことに違和感を覚えるかもしれませんが、大丈夫、数日すれば慣れます。

洗顔も水を使いません。すすぎが不要な石けんや、拭き取りタイプの洗顔料でケアします。「洗顔」というくらいですから、水ですすがないとなんとなくすっきりしない気がしますが、こちらもそのうち慣れます。

問題は洗顔後のスキンケアです。地上生活でスキンケアをする習慣がない人も、宇宙ではしっかりクリームや乳液でスキンケアをすることをおすすめします。

とくに保湿はマスト。ISS内は湿度が低く、肌がとにかく乾燥します。スキンケアにプラスして保湿クリームをこまめにぬっている宇宙飛行士も少なくありません。老若男女を問わず、乾燥対策は万全にしておきましょう。