宇宙飛行士たちは何を食べているのか。3回の宇宙飛行を成功させた野口聡一さんは「今や宇宙食は300種類以上あり、食事は宇宙飛行士たちの楽しみの一つである。そのなかでも『日本食』は人気が高い」という――。
※本稿は、野口聡一『宇宙でラーメンは食べられるか 宇宙暮らしのロマンと現実』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
宇宙で食べられるもの、食べられないもの
いまどきの宇宙食はレパートリーが豊富で味もよく、ドリンク類も充実しているのですが、残念ながら飲食できないものもあります。その代表がアルコール飲料と炭酸飲料です。
アルコール飲料が禁止されている理由はおもに二つ。一つは、ISS滞在中の宇宙飛行士は「勤務中」と見なされるからです。長時間飛行するエアラインのパイロットたちと同じ扱いで、いつでも緊急事態に対応できるよう飲酒は禁じられているのです。
ただエアラインと違うのは、我々宇宙飛行士は長いときは半年以上、ずっとその状態がつづくこと。なので大酒呑みには厳しいミッションかもしれません。
もう一つは、空気中にアルコール分があると空気循環システムが故障するおそれがあるからです。炭酸飲料の場合は、缶を開けたときにドリンクが噴出してしまうと、無重力状態では拭き取りが難しいという理由から、持ち込みができません。
食べものに関してもさまざまな規制があります。
たとえば、きなこのような粉末状の食品や、“甘じょっぱい魔法の粉”をまとった某おかきのように細かなカスが出る可能性のある食品は、粉末やカスが飛び散ってISS内の実験装置やコンピューター機器に入り込むおそれがあるためNGです。

