稼ぎ続けられる医師や歯科医師は何が違うのか。歯科医師で経営コンサルタントの多保学さんは「医師や歯科医師は経営の考え方をインストールして『経営者』にならない限り、いつまでも『現場の労働者』という現実から逃れられない」という――。

※本稿は、多保学『脱・院長の教科書』(クインテッセンス出版)の一部を再編集したものです。

処方箋を書く医師
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年齢を重ねると、数をこなすことが困難に

私達の体力は、年齢とともに確実に衰えていきます。しかし、医師や歯科医師のなかには、この事実を忘れ、いつまでも若い頃と同じペースで働き続けられると勘違いしている先生が少なくありません。

医院や歯科医院は、まさに体を動かして稼ぐ「労働集約型」のビジネスモデルです。そのため、体力のある若い世代のほうが当然有利です。

マーケティングにおけるQPSは3つの要素で考えます。QはQuality(品質)、PはPrice(料金)、SはService(サービス)です。保険診療主体のクリニックの場合、診療の質(Q)はクリニック間でほとんど変わりません。

料金(P)は国によって決められているため、横並びです。しかも、国の医療費の負担が年々重くなるなかで、今後の診療報酬は下がる一方かもしれません。サービス(S)の差別化も、保険診療の範囲内では限界があります。

このように、QPSで競合と差をつけることが難しい場合、収益を上げるには患者数を増やすしかありません。しかし、年齢を重ねると、体力の衰えもあり、数をこなすことが困難になってしまいます。

また、開業当初の30代や40代は、先生自身やスタッフも若く、クリニックも新しいため、患者さんが集まり、高収益を得られるかもしれません。しかし、50代、60代、70代になっても改装や設備投資をせず、自己研鑽を怠れば、どうなるでしょうか。

近隣に若くて勢いのある先生が開業すれば、患者さんがそちらに流れていくのは当然のことです。