天職と出合うためには何をすればいいか。浄土真宗本願寺派僧侶の増田将之さんは「何事も、やってみなければわからない。でもやってみれば視野が広がり、いろんな風景が見えてくる。その先に、天職との出合いがある」という――。

※本稿は、増田将之『その悩み、ただの執着』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

オフィス街で働くスーツ姿の日本人ビジネスウーマン
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やりたいことは、ブレながら見つければいい

「夢を持ちなさい」と、よくいわれます。

幼いころから「大きくなったら、何になりたい?」と聞かれることもあって、誰もが夢を意識して成長してきたと思います。

けれども、成人するまでずっと同じ夢を持ち続けた人は、ごく少数でしょう。その夢を達成した人となると、もっと少ないはずです。

大人になったいまは、みなさん、「なりたい」という思いだけでは、またたくさん努力したからといって、子供のころの夢をかなえるのは簡単ではないと、経験的にわかっているでしょう。

大人になってからも、同じことがいえます。就職に際して、「この道を進もう」「この会社でがんばろう」などと決めたからといって、その決断に固執しなくてもいい。

「ブレるのはよくない」と思うかもしれませんが、ブレて当たり前。ブレないほうがふしぎなくらいです。

なぜなら仏教的にいうと、仕事もまた「無常」。自分のやりたいことも、好き嫌いも、能力も、もっといえば世の中に必要とされる仕事も、常に変化しているからです。

実際、時が経つにつれて、「自分に合うと思った仕事だったが、やってみたら合わなかった」とか、「ほかにやりたいことができた」「自分は続けたかったが、AIに取ってかわられた」など、さまざまな「こんなはずではなかった」ことが出てくるものです。

ですから仕事に関しては、早い時期に、自分に合う仕事を見つけることに、必要以上に執着することはありません。

入りたい会社に入れなくても、すぐにやりたい仕事ができなくても、自分の能力を発揮できなくても、それはあなたがまだ、「天職と呼べるものに出合っていない」というだけのことです。