遺骨を神聖視しない20%の人
日本人の遺骨観は一様ではなく、多面的であり、遺骨への思いも人それぞれ異なる。遺骨に深い思い入れを抱く遺族がいる一方で、「遺骨はモノにすぎない」「骨になったらもう人ではない」といったように、遺骨に特別な感情を抱かない人もいる。近年では、扱いに困った家族の遺骨を駅のコインロッカーやトイレ、ごみ置き場、寺院などに放置した事件も発生している。
また、引き取り手のいない「無縁遺骨」の数も増加しているという。総務省が全国の市区町村を対象に行った調査によれば、2021年10月末時点で引き取り手のいない無縁遺骨は、把握可能な市区町村だけでも約6万柱にのぼると報告されている。実際の数は、これを上回ると考えられている。
「無縁遺骨」は33年で10倍に
たとえば大阪市では、1990年に336柱だった無縁遺骨が、2023年には3408柱にまで増加し、33年間で10倍以上に膨れ上がっている。2021年の大阪市の年間死亡者数は3万1503人であったが、そのうち2767柱が無縁遺骨となっており、実に11人に1人の割合で引き取り手がいなかったことになる。
こうした無縁遺骨は、身元不明者や単身者が亡くなった場合だけでなく、家族や親族が存在していても、引き取りを拒否されるケースもある。喪主経験者を対象とした私どもの調査でも、回答者の約2割が「遺骨は引き取りたくない」と答えており、そこには、故人との生前の希薄な関係性や、遺族の経済的な状況などが関係していると考えられる。



