心筋梗塞で死ぬ人はがんで死ぬ人の12分の1
一見ポジティブで理想的な死に方のように語られますが、社会的・制度的な視点から見ると、
“都合のいい理想”としての側面も存在します。高齢者の長期入院や要介護期間が短くなれば、国・自治体の財政負担は軽くなるのですから。
メディアや行政の啓発で、「ピンピンコロリこそ理想の死」といったメッセージが強調されると、病気になったり介護が必要になることは理想的ではない、あるいは「自己管理の失敗」のようなイメージを植えつける危険性もあります。
では、「ピンピンコロリ型の死」はどのようなものなのでしょうか。
・急性心筋梗塞――動脈硬化が進行して、冠動脈にできていたプラークが冠動脈を完全に塞いでしまい、心筋に血液が届かなくなって心筋が壊死してしまう状態。典型的な突然死。
・脳出血・くも膜下出血――脳の血管が破れて脳内に出血する。
・不整脈・心室細動――心臓の電気信号の乱れにより、ポンプ機能が突然停止する。
・大動脈瘤破裂――動脈の壁が破れて大量出血を起こす。
・肺塞栓症(エコノミークラス症候群など)――血の塊(血栓)が肺に詰まり、呼吸停止に至る。
しかし実際、ピンピンコロリで亡くなるのは、思いのほか難しいのです。
ピンピンコロリとがんで死ぬ場合を比較してみると、日本の場合、典型的な突然死である心筋梗塞で死ぬ人は、がんで死ぬ人の12分の1しかいません。
この12分の1に入るのは至難の業です。
思いっきり脂っこいものを食べてメタボの典型のお腹ぽっこりになっても、なかなかこれを達成することはできません。
「したいこと」「食べたいもの」を手放さない
健康診断でコレステロール値や血圧が高いと、医者はすぐに「薬を飲みなさい」「下げないと動脈硬化が進んで心筋梗塞のリスクを高めます」と脅します。
しかし、心筋梗塞のリスクは減るかもしれませんが、がんのリスクはむしろ増えるのです。
なぜならコレステロール値が高いほうが、免疫力が高く、がんになりにくいことがわかっているからです。
糖尿病の場合、薬で数値を下げると低血糖を起こしやすくなり、心不全などの合併症リスクが高まることが知られています。
血圧は、年を取れば自然に高めに推移され、降圧剤を飲むと活力が奪われて頭がぼんやりして転倒リスクが上昇します。
医者のいいなりにならず、「自分のしたいこと」「食べたいもの飲みたいもの」はどうか手放さないでください。
私はいままで集めたワインのコレクションを、死ぬまでにぜひとも味わって死にたいですし、もしもがんが見つかったら公表して、知り合いを集めてワインの栓を開けようかな、などといろいろ考えています。
突然ではなく、こんなふうに楽しく、なだらかに死ねたらいいな、と考えています。
これが私自身の「あなたはこれからどんなふうに生きて、どんなふうに死にたいですか?」の答えになります。


