いつか直面する「死」に向き合うには、どうするといいか。医師の和田秀樹さんは「死生観は人生観とイコールだ。死について考えるならこの死生観を持ち、『自分がどんなふうに生き、どう死んでいきたいか』をこれから残された日々の中で考えていくといい」という――。

※本稿は、和田秀樹『手放す勇気』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

ベンチに座って海を眺める年配の夫婦
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年間200人以上の死に立ち会ってわかったこと

私は、高齢者専門の総合病院に長い間勤務していました。

在院している方の平均年齢は85歳くらいでしたから、年間200人以上の方がその病院で亡くなり、死は特別なものではありませんでした。何しろ2回当直勤務をすると、1回はだれかの死に立ち会います。

決して手放してはいけないものは「いのち」ですが、絶対にしがみつけないのも、やはり「いのち」です。

もしも、死について考えるなら、死生観を持つことが大切です。

死生観=人生観そのもので、「自分がどんなふうに生き、どう死んでいきたいか」をこれから残された日々の中で考えていくことです。

私は、これまでに一度、死を覚悟したことがあります。

数年前、血糖値が急に上がり、1カ月で体重が5kgも減少したことがありました。膵臓がんが疑われ、多くの検査を受けました。もし末期の膵臓がんであれば、残された人生はわずかです。