しかし、あの所見は、腎臓の内腔に露出した“石”とは限りません。腎杯乳頭の壁の中にある微小な石灰化、いわば結石の“前段階”である可能性が高いと私は考えました。画像だけで「再発」と断定することには慎重であるべきだと考えています。
では、それでも再発率が高いのはなぜでしょうか。理由の一つは、「取り残し」です。以前は体外衝撃波(ESWL)が主流で、石を砕くことが治療の中心でした。砕けた破片は自然に排出されることを期待する、という考え方です。
「3割減」が結石の激痛リスクを遠ざける
しかし実際には、腎臓内に残った微小な破片が核となり、そこに結晶が付着して再び成長することがあります。患者さんからすれば「再発」ですが、医療側から見れば「残っていたものが育った」というケースも少なくありません。
現在は、尿管鏡を用いて腎盂や腎杯の奥まで入り込み、可能な限り完全に摘出する方針が広がっています。結石除去の成功率が上がるだけでなく、再発の連鎖も断つことが期待できます。
私は常に、「腎機能を守ること」を最優先に考えています。閉塞が長く続けば、腎臓は確実にダメージを受けます。だからこそ、これくらいのかけらは流れるだろうと思うのではなく、限りなく取り残しをせず、再発の芽を断つ努力をするのです。
私は自他ともに認める「結石オタク」の専門医ですが、患者さんに「シュウ酸を多く含むものを一切やめろ」とは言いません。お祝いやイベントには、ナッツを頬張ってもいい。好きな映画やスポーツを観ながら好物を食べる。至福のひとときです。その代わり、日常で3割減らす。
結石は一度取れば終わりの病気ではありません。自分の体質(石の成分)を知り、ビジネスと同じように「継続的なセルフマネジメント」を行う。このスタンスこそが、あののたうち回る激痛のリスクを大きく下げる鍵になります。
まだ発症していない人も、すでに経験した人も。志賀式「3割減」という小さな調整が、あの激痛のリスクを遠ざけます。結石は偶然ではありません。日々の習慣の積み重ねが、未来の腎臓を守ります。


