成功を収めるために必要なのは、人並み外れた知能や身体能力なのか。スポーツ心理学者の児玉光雄さんは「ウイスコンシン大学が約8000人の天才を調査した結果、その共通点は能力の高さだけではなく、性格特性にあった」という――。(第3回)

※本稿は、児玉光雄『大谷翔平の思考法 「できない」を「できる」に変える』(アスコム)の一部を再編集したものです。

カブス戦の1回、左前打を放つドジャース・大谷=2026年4月25日、ロサンゼルス
写真=共同通信社
カブス戦の1回、左前打を放つドジャース・大谷=2026年4月25日、ロサンゼルス

挑戦を止めない限り「失敗」ではない

大谷選手のような成功者たちの共通点は、徹底して量をこなしている、ということ。

「成功確率は理屈抜きに試行回数で決まる」と、私は考えています。自分が定めた成功というゴールにたどり着きたかったら、目の前の作業における試行回数を増やすしかないのです。

たとえば、ここに「成功率が1%」の困難な作業があったと仮定します。この作業を2回繰り返すと、成功率は約2%に増加〔100%-(99%×99%)=1.99%〕します。その後も試行を繰り返せば、成功確率は着実に増えていき、試行回数が100回のときは、63%を超え、459回繰り返すと、99%にまで到達するのです。

これはあくまでも理論上の数値ですが、試行回数を増やすことが成功に着実に近づく強力な要素であるとわかるはずです。そのことについて、大谷選手はこう語っています。

「やればやるだけ洗練されていくものだと思うので……そこは数をこなしていくのが大事なのではなくて、数をこなす分、よかった、悪かった、の回数が増えていくことで、それがより洗練されていくことにつながっていくんだと思います。

数が決まっているとそこまで辿りつけなかったり、自分が思うスイングができなかったりということが出てきてしまいますから……」(『雑誌ナンバー2019.6.27号』文藝春秋)

約8000人の天才を調べて判明した共通点

あなたの人生の中で、成功した回数ではなく、実行した行動の数を誇ってください。

人生における夢の実現は、「描いた夢の数ではなく、あなたの行動の数で決まる」のです。成功確率の低い夢でも、単純に行動の数を増やせば、いずれ夢にたどり着けるのです。

2021年、ウイスコンシン大学の研究者を中心にした研究グループが、天才のパーソナリティについて調査しました。研究チームは、過去に実施された天才に関する複数の調査から約8000人のデータを調べたそうです。

この調査が定義した「天才」とは、同世代の人間よりも知性が突出した人たちを指します。ジャンルは、数学や語学の成績はもちろん、芸術的な分野における想像力、哲学的な思考の深さなど、さまざまな知的ジャンルに及びました。

その結果判明した彼らの共通点は「開放性の高さ」でした。