好奇心を膨らませる特効薬

それでは好奇心を膨らませる具体策は何でしょう?

マインドセット研究で有名なキャロル・ドゥエック博士のグループは、864人の男女を集め、全員に「普段からどれだけ自問しながら生活しているか?」という質問に答えさせました。

たとえば、何かに行き詰まって袋小路に入ってしまったとき、「自分にできることは何か?」「もっとうまくやるには?」と自問したり、学習に進歩がないと感じたときに「もっといい方法はないか?」「先に進むために何ができるか?」と自問自答しているかどうかを調査したのです。

その結果、日頃から自問を繰り返す人ほど学校の成績が良かっただけでなく、健康、貯金などの目標の達成率も高く、実験室で行われた認知テストの結果も優れていたのです。

自問自答を習慣化することにより、私たちは2つの重要なスキルを獲得する可能性が高まります。

まず1つ目はメタ認知(自分が認知していることを客観的に把握し、制御すること)による視野の拡大です。

勉強する人
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大谷翔平が最も大切にしている視点

自分のキャリアを通してやるべきことについて、大谷翔平選手はこう語っています。

「『自分はこういうものを築いてきたというものが最後にある』ということを一番大事にしたいと考えています。変な話、100勝して何もないより、最後に1勝して、そのときにすごいものを発見できたほうが嬉しいのかなと思うので……プロ野球選手にとって勝ち続けることは大事ですけど、それとは別に、自分の中に何かを残すことはそれ以上に大事なのかなと思っているんです。

それが何なのかは終わってみなければわからない部分ですけど、やっぱり最後に満足して終わりたい。終わって何も残らなかったというのが一番、悲しいですからね」(『大谷翔平 野球翔年I日本編2013〜2018』文藝春秋)

自問自答によりメタ認知能力を高めると、広い視野で物事を考えるスキルが養われます。

ちょうど上空から獲物を狙う鷹の目のように、物事を捉えることができるのです。当然ながら、地上を動いて獲物を探すよりも、上空から獲物を見つけるほうが有利であることは言うまでもありません。