1つの問いが新たな発見を連れてくる
そしてもう1つの自問自答のメリットは、問いの連鎖により好奇心が強化されるということです。これにより、視野が一層広がり、直感やひらめきが生まれやすくなります。自問自答について、大谷選手はこう語っています。
「無駄な試合とか、無駄な練習っていうのはないかなと思っているので、頑張って何年続けても結果が出ないという練習の仕方っていうのは確実にあると思うんですけど、それを失敗だと気づいて違うことに取り組めば、そこで1個発見があって、それがどんどん成功につながっていくのかなと思うので、僕自身まだ成功したとは思ってないですし、むしろ失敗と成功を繰り返している段階なんです」(日本スポーツ振興センターアスリート育成パスウェイ)
1つの問いから違う問いが生まれることで、世の中への関心が広がり、それゆえに周囲の小さな変化に注意を向けさせる効果があります。問いが問いを生む体験を積み重ねることで、私たちの脳は身の回りの小さな変化に気づくことができ、結果察知力も高まるのです。
最強の味方はもう一人の自分
心理学では、自分自身に話しかけることを「セルフ・トーク」と呼んでいますが、メンタルが強い人の共通点の1つは、セルフ・トークがうまいことです。
フロリダ州立大学の心理学者コリー・シャファー博士は、陸上やバスケットボールなど、さまざまな分野の大学のスポーツ選手68名に、ゲームのときにどのような作戦をとっているのかを語らせました。
その結果、彼らが試合のときによく使っている作戦は、「セルフ・トーク」であることがわかりました。
メンタルが弱いという自覚があるのなら、自分自身との会話が足りないのです。自信満々なもう一人の自分にセルフトークを通じて励ましてもらったり、勇気づけてもらったりすればいいのです。
大谷選手にしても、心の中で自問自答を繰り返しながら自らのパフォーマンスを洗練させてきたことから、着実に成果を挙げることができたのです。


