天才の正体は「好奇心」の塊

開放性という言葉は、パーソナリティ研究の用語であり、未知のテーマにポジティブな興味を持ち、それに対して具体的な行動を起こせるかどうかを示す性格を意味します。その開放性を示す大谷選手の言葉があります。

「ピッチャーだけをしていたら、ピッチングでしか経験できない発見があるわけですけど、ピッチングをやってバッティングをしていれば、楽しい瞬間はいっぱいあるんです。そういう瞬間が訪れるたびに、僕は投打両方をやっていて『よかったなあ』と思うんじゃないですか」(『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』扶桑社)

つまり、天才とはイコール「好奇心」に溢れた人間なのです。私たちが成功にたどり着くための2つ目の要素は、「多様」です。いくら試行回数を増やしても、同じことを繰り返すだけでは成功にはたどり着けません。チャレンジの多様化が必須要素なのです。

しかし、それではまだ「さまざまに試行しているだけ」に過ぎません。行動の量を効率よく成功に導くには、3つ目の要素である「察知力」が必要となります。

察知力とは、自分の身の回りの小さな変化を見逃さないスキルです。大谷選手は、バットのスイングにおいて並のバッターが気づかないようなほんのわずかな違いを察知するスキルを日々の鍛錬によって身につけています。

閃きの源泉は身近な違和感

実はイノベーションを起こす人間ほど観察に時間を費やすことが判明しています。

つまり、優れたイノベーターたちほど、仕事上の小さな変化を敏感に察知し、それによって誰も真似できないアイデアを生み出しているのです。これも好奇心なくしては、不可能な作業であると言えます。パリの警察学校の壁には1世紀以上前から1つの警句が掲げられています。

「脳は外界の特異なものを見つけ出す。しかし、それはすでに脳に存在しているものだ!」

前例のないアイデアを創造する人間ほど、身の回りの特異なものを察知する能力が高いのです。

成功にたどり着くには、まず好奇心を膨らませて試行回数を増やしていくだけでなく、試行するテーマに多様性を持たせることも必須なのです。