大谷翔平選手のように、キャリアを積むほど「凄み」が増していく人の特徴とは何か。スポーツ心理学者の児玉光雄さんは「記憶力や計算力は年々衰えるが、年齢を重ねるほどに右肩上がりになる能力がある」という――。(第4回)

※本稿は、児玉光雄『大谷翔平の思考法 「できない」を「できる」に変える』(アスコム)の一部を再編集したものです。

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写真=iStock.com/Chagin
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「才能」はダイヤモンドの原石

2022年8月9日、大谷選手は、対アスレチックス戦に「2番・投手兼DH」で出場。

6回4安打無失点で自己最多10勝目をマーク。1918年のベーブ・ルース以来、104年ぶり2人目の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成し、昨季も含めて通算7度目の挑戦で、歴史の扉をこじ開けました。

この日は投手で6回無失点、打者では7回にダメ押しの25号ソロ。そして、7月6日の今季10盗塁と合わせ、MLB史上初の「トリプルダブル」も達成してみせたのです。試合後、大谷選手はこう語っています。

「単純に(今まで投打)2つやってる人がいなかったというだけかなと思う。それが当たり前になってくれば、普通の数字かもしれない」(スポニチアネックス2022.8.10付)

大谷選手のメジャーリーグにおける活躍は、彼の生まれ持った才能によって支えられていると多くの人々が考えています。しかし、本当にそうなのでしょうか?

ここで「才能とは何か?」について私の考え方を披露しましょう。才能はダイヤモンドの原石に似ています。ダイヤモンドは、原石のままでは商品にはなりません。

自分が何の原石か見極める

たっぷり時間をかけてこの原石を研磨することにより、価値のある高価なダイヤモンドに変わるのです。

あるとき、大谷選手はこう語っています。

「常にきっかけを求めて練習しているというのはあります。ひらめきというか、こういうふうに投げてみよう、こうやって打ってみようというのが、突然、出てきますからね。やってみて何も感じなかったらそれでいいし、継続した先にもっといいひらめきが出てくることもあります。

常にそういうひらめきを追い求めているんです。自分が変わるときは一瞬で上達しますし、そういうきっかけを大事に考えて練習していますね」(『大谷翔平 野球翔年I日本編2013〜2018』文藝春秋)

人は誰もが何かしらの才能を持っているものです。しかし、自分は何の原石なのか、まずはそれを見極めなければなりません。

「才能」という可能性を見極めて、そこに「鍛錬」という行為を積み重ねて、初めて私たちはその分野で成功をつかみ取ることができるのです。