全店舗の売上高、過去最高「8886億円」
日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)の業績が好調である。2023年以降、3期連続で増収増益を達成しており、2025年12月期連結決算は、売上高4166億円(前年同期比2.7%増)、当期利益339億円(6.1%増)と、いずれも過去最高を更新し、経営の強さを象徴する結果となった。
ここで注意すべきなのが、マクドナルドの売上構造である。連結売上高は4166億円だが、フランチャイズ店舗を含めた「全店売上高」は8886億円に達する。これは全国のマクドナルド店舗で消費者が実際に支払った総額を示している。
日本では、マクドナルドの多くの店舗はフランチャイズ方式で運営されており、本部は店舗からロイヤルティ収入を得る構造となっている。つまり、売上高4166億円は本部の収益を示す数字であり、全店売上高の8886億円は実際に店舗で消費者が支払った総額を意味する。
このフランチャイズモデルは、店舗投資の負担を分散しながら全国に店舗網を拡大できるという利点がある。同時に、本部はブランド管理や商品開発、マーケティングに経営資源を集中させることができる。この仕組みこそが、マクドナルドが巨大な外食チェーンとして成長してきた基盤と言える。
つまり、マクドナルドは約9000億円規模の巨大な外食市場を実質的にコントロールしている企業なのである。この規模の大きさは競合他社と比較すると際立っている。
巨大ネットワークを背景にした“規模の優位性”
たとえば、モスバーガーを展開するモスフードサービスの売上は約960億円(2025年3月期決算短信)であり、バーガーキングの国内市場規模は575億円前後(2026年3月6日 食品産業新聞社ニュースWEB「バーガーキングが止まらない」)と推計される。単純比較では、マクドナルドはモスバーガーの約9倍、バーガーキングの約15倍の市場規模を持つことになる。
この規模の差は、単なる売上の違いではない。マクドナルドの場合、約3000店舗(2026年2月時点3026店舗)という巨大なネットワークを背景に、食材の大量調達や物流の効率化が可能になっている。(日本マクドナルドホールディングス「IRセールスリポート」)さらに、テレビCMなどの広告投資も全国規模で展開することができるため、広告効果も高まる。このような“規模の優位性”が、競合他社には真似しにくい強力な競争力となっているのだ。
経営指標で見ると、本業の稼ぐ力を示す営業利益率と経営効率の高さを示す自己資本利益率(ROE)はどちらも12%台後半に達し、外食企業としては高い水準にある。直近の3年間ではいずれも10%超えを果たしていることから、マクドナルドが少ない資本で効率的に利益を生み出していることが分かる。
(参考:「日本マクドナルドホールディングス[2702] 決算発表や業務・財務情報」日経電子版)

