増税を追い風に変えた100円ショップ
セリアは100円ショップチェーンの運営会社として国内第2位である。この業界は大手4社(セリアのほか大創産業、キャンドゥ、ワッツ)によってほぼ寡占状態になっており、4社の直近の売上合計は1兆円に近づいている。トップの大創産業(株式は非上場)が市場の半分以上を占め、それに次ぐセリアが4分の1を占める。
4社合計売上に占めるセリアの売上シェアは、20年前の10%から今日では23%まで上昇している。売上規模は2番手だが、特色を打ち出して高い売上成長、高い利益の確保を目指している。100円ショップは、本体価格100円で日用雑貨、文具、食品などを販売する均一価格の小売業である。
日本において、固定的な店舗として100円ショップが出現したのは1980年代、そして1990年代には今日の大手4社の店舗が出揃った。セリアの創業も1985年である。そして、日本の100円ショップは1990年代後半~2000年代前半に急成長を遂げ、今日に至っている。ちなみに、日本で初めて消費税が導入されたのは1989年、税率は当初の3%からすでに3度にわたって引き上げられている。
「これが100円なのか」という価値を与える
この間、節約心理が刺激され、100円ショップの注目度も上がってきた。商品点数が多いことが特色だが、今日では独自商品や高機能商品も加わり始めている。店舗立地は郊外のショッピングセンター内、駅前、都心部などさまざまで、比較的小型な店舗が多く、すでに店舗展開は全国にわたっている。
さて、セリアが扱う商品は日用雑貨がほとんどを占めており、菓子食品の売上が少ないことが特色だ。商品点数は2万点にのぼるが、商品管理の観点から点数はこれ以上増やさずに、毎月500点~700点を入れ替えていく方針のようだ。商品は顧客ニーズの分析データをもとに、仕入先の国内のベンダーやメーカーと共同開発したものが中心。
商品開発にも関わっているという点では、ユニクロのファーストリテイリングのような製造小売業に近いかもしれない。セリアは「100円均一」という商売において、「100円」の新しい価値を提案することに注力している。100円の商品で提供できる「(顧客にとっての)価値」をつぎつぎ見つけ出すことが勝負どころだと考えている。

