「忙しい」が口癖の人は“抱え込みすぎ”

「仕事が多すぎて休めない」と感じている人は、少なくないでしょう。しかし実際のところ、問題は仕事の量そのものではなく、「抱え込みすぎている」という点にあるのではないでしょうか。

「忙しい!」とこぼす人ほど、「頼むより自分でやったほうが早い」「他人にまかせると不安だ」と考え、結果として自分の時間を圧迫しがちです。抱え込めば抱え込むほど、心の中に“やり残し”は増え、これでは、いくら休んでも疲れは抜けず、いつも追われている感覚から逃れられないでしょう。

通りを歩くビジネスパーソンたち
写真=iStock.com/Tony Studio
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私が見てきた富裕層や経営者の多くは、驚くほど“手放す”のが上手です。

彼らは「人にまかせる」のではなく、「自分の役割を明確にする」ことを大切にしています。自分がやるべきことと、他人に託すべきことの線引きがはっきりしているのです。

たとえば、全体の方向性や方針を考えるのは自分の仕事、細かな実務や資料の作成はスタッフの仕事と割り切っています。すべてを抱え込まず、エネルギーを注ぐ場所を明確にしているからこそ、高い集中力を維持できるのです。

タスクを任せれば、集中できるようになる

抱え込むクセがある人ほど、「自分がいないと回らない」と思い込みがちです。厳しいようですが、それは錯覚です。むしろ、その考え方こそがチームの成長を妨げ、自分自身を疲弊させる原因になります。まかせることは、怠けることではなく、信頼を育てる行為です。自分以外の誰かに役割を託すことで、チーム全体が自立し、仕事の質が安定していくのです。

タスクを他の人にまかせることで、自分の思考が整理され、より重要な判断に集中できるようになります。

これは、机の上を片づけるのと同じことです。散らかったままでは次の作業に取りかかれないからです。さらに手放すことは、状況の整理のみならず心の片づけにもつながります。

確かに、手放すという行為には勇気がいります。まかせた相手が失敗するかもしれない。思うように進まないかもしれない。

そうした不安があるのは当然のことですが、そこで苛立つままで終わらせてはいけません。自分の力のみで完璧を求め続ければ、いつか自分のキャパシティを超えてしまいます。

どうすれば次はスムーズにまかせられるかを考え、工夫を積み重ねることは、チームを成長させ自分の時間を取り戻すことにつながります。