アボカドバーガーの開発を手がけた安藤氏自身も、この数字には驚いたという。
「私が商品本部に入って6年だが、始めた頃はヒットしても150万そこそこ。やっと200万超えが出るようになってきて、近年でいちばんのヒット、白モスは350万だった。アボカドバーガーは300万が目標だったので、想定以上のヒットとなった」
ヒット商品が出ると売り上げが増えるのは間違いない。しかし、なぜそれが、売り上げ以外の「好調の条件」をもアップすることになるのだろうか。
ずっと売れ続けている「二大巨頭」
そもそも、モスバーガーの二大ロングラン商品といえば、モスバーガーとテリヤキバーガーだ。
とくにテリヤキバーガーはチェーンスタートの翌年、1973年に開発されたもの。「日本生まれのハンバーガーチェーンだから、日本人の味覚にあった商品を作ろう」という考えがもとになっている。
今でこそテリヤキバーガーは日本人の舌に当たり前のように受け入れられ、外国人にも人気だ。しかしぶりの照り焼きなどを連想させるためか、発売当初はあまり売れなかった。日本伝統の味を洋食であるハンバーガーに使うことを「邪道」と評する人もいたのだそうだ。
そんな常識を蹴り飛ばし、「テリヤキバーガーはおいしい」と広めたのは女子高生だった、という逸話はモスバーガーのサイトにも詳しく語られている。
「モスやテリヤキを負かす商品を」
「チェーン設立当初からの味が今も一番売れる商品であり続けている――これは当社にとって嬉しいことではあるが、反面、『弱み』でもある」と安藤氏。
「ロイヤルカスタマーと呼ばれるような、月1回以上の頻度で来店されるお客様はメニュー選びにほとんど時間をかけない。モスバーガー、テリヤキバーガー、海老カツバーガーなど、決まったメニューを注文する。そして長年のファンの方というのは、いつか卒業してしまうもの。客層を広げていくために、新しい柱が必要だ」
客層の高齢化は、歴史のあるブランドに共通する課題だ。そのため若い層に訴求するメニュー開発、コラボレーション戦略など、各社知恵を絞っている。
同社では、安藤氏が商品本部に入って以降「モスやテリヤキの売上構成比を落とす新たな柱」を合言葉に、モスの常識を覆すような商品開発を続けてきたのだという。

