「役に立ちそうで立たない行動」に気づく
そして最後に、安全行動について書き出します。安全行動とは、文字通り、本人としては「一時しのぎでもいいから」と安全を求めて行っているけれど、結果的には不安を過剰にする悪循環につながってしまっている行動のことです。
「偽の安全行動」という言い方もします。「一見、必要そうだが、不必要にやりすぎている行動」「役に立っていそうで、役に立たない行動」を意味します。
実は、安全行動は、実際に手足を動かして行う行動だけではありません。頭の中であれこれ考え続けるということも、メンタルアクト(精神的な活動、精神的な行為)といって安全行動に入ります。
特に全般不安症の人は、同じことをぐるぐる考え続ける(反すうする)メンタルアクトの安全行動によって、不安の悪循環におちいっていることがよく知られています。また、「憂うつになって、ずっと反すうする」と似た行動として、「不安になってずっと心配する」=「心配する」のもメンタルアクトの安全行動です。ちなみに、「心配する」は、英語でworryという動詞を使うことからも、行動といえるでしょう。
1日1回の習慣で自分の傾向が分かる
メンタルアクトと認知(思考)は、何が違うのだろうと思ったかもしれません。メンタルアクトは自分の意志で、頭の中でし続ける行動です。一方で、認知行動モデルや不安日記で書く「認知(思考)」は、自分の意志とは関係なく、ぱっと頭に浮かんでくる考えだという違いがあります。
不安日記の安全行動の欄に書くとするなら、例えば「何があったのかと心配し、どうしたらいいかと反すうする」となるでしょう。あるいは、「同じような悩みを抱えている人をネット検索して、その人のブログやSNSを読みあさり、どうしたらいいか対処法の知識を得ようとする」などが代表的な安全行動といえるでしょう。この不安日記は、1日に1回、書く習慣をつけてください。
自分が書いた不安日記を読むと、自分がどんなできごとに不安を感じるかという傾向がわかります。また、不安になったときに、どのように考え、どのような否定的解釈をし、どのような安全行動をしているのかも明らかになります。否定的(ネガティブ)な解釈に気づいたら、肯定的(ポジティブ)な解釈もできるようになりましょう。
