“検索し続ける”が恐怖を強めている

このように、自分がおちいっている不安の悪循環に気づくわけです。不安という感情自体は直接的にコントロールすることが難しいのですが、認知(思考)や行動については自分で直接的に見直したり、変えたりすることができます。不安感情を直接的にではなく、間接的に認知(思考)や行動を変えることを通じて、コントロールできるようにするわけです。

もう一度、舌がんの例に話を戻しましょう。有名人の舌がんのニュースに恐怖を感じ、ネットで舌がんについて調べ続けるという行動は、その場しのぎで不安を下げるかもしれません。ただ、長い目でみると、かえって自分が舌がんであるという思考が強まってしまい、よけいに不安が強くなるという悪循環におちいっていることにも気づけるでしょう。

できごとと「認知(思考)」「行動」「感情」の3要素を見える化し、自分の思考や行動の悪循環のパターンに気づき、好循環になるように見直していけば、不安の増幅を防げるはずです。

「不安日記」をつけてみよう

不安を可視化する方法として、不安日記というものがあります。不安日記では、特定のできごとと認知行動療法の3要素の「認知(思考)」「行動」「感情」を記録していきます。

ここでの感情は不安です。「認知(思考)」「行動」「感情」の3要素を見える化した図を、毎日の日記として簡単に書くという感覚です。

それでは、書き方を説明していきましょう。不安日記では、まず日付と「できごと」について書き出し、不安の点数をつけます。

例えば「子どもが学校から帰るとすぐに無言で自室にこもり、何を聞いても『大丈夫』としか言わない」と書いたら、不安の点数を100点満点で記入します。

次に、自分の「認知(思考)」を書きます。上記の例では、「学校で何かあった、いじめられた」という思考です。さらに、できごとに対しての否定的な解釈と、その確信度(どれだけ信じているか)について、0〜100%で評価します。例では、「子どもが学校で孤立する」で、90%の確信度です。