3つの要素を書くと不安の解像度が上がる
ちなみに、「認知」「行動」「感情」の3要素を書き出すのが簡単でよいと思いますが、4番目の要素として、「身体反応」を書く方法もよいでしょう。たとえば、心拍数が増えた・呼吸が荒くなった、汗をかいたなどです。
なおこのとき、「舌がぴりぴりする」「舌が熱い」のような身体反応を感じている場合もあるかもしれません。舌に関する身体反応は、外部からの刺激(できごと)ではなく、自分の内部(心身の反応)で起こっているので、「できごと」の欄には書かないようにしましょう。
3要素(あるいは4要素)を書き出すことで、自分が漠然と不安に感じている状況が明らかになります。最近よく使われている表現を使えば「自分の不安の解像度が上がる」ともいえます。
さらに、犬恐怖症の人の例で考えてみましょう(図表2参照)。できごとは「道で子犬に出会う」であり、「犬だ! 危険だ!」と認知(思考)しています。このとき思い出されているのは、子どものころに公園で犬に噛まれ、大けがをした記憶です。
犬が怖い人の認知行動モデル
そこで「逃げる」という行動を取り、「恐怖・不安」の感情が湧きました。このとき、心臓がバクバクするなどの身体反応が起きています。この人は「犬は危険だ」と考えているわけですが、あらためて冷静に3要素の図を見直すと「子犬って、そこまで危険なんだろうか」という別の考えが生まれるかもしれません。
たしかに、再び犬に噛まれないという保証はないですが、子犬に噛まれて病気になったとか、亡くなった人のニュースは、近年、ほとんど耳にしたことがありません。
あるいは「逃げる」という行動についても、あらためて、偏った行動になっていないか、見直すきっかけになるでしょう。
「逃げるという行動をとっているから、いつまでも犬に慣れることができないのでは? 逃げないほうがいいのでは?」
「逃げた結果、犬に噛まれなかったけど、それによって『やっぱり犬は危険だ』『逃げてよかった』という考えが強化されてしまっているのかも?」
「逃げなかったとしても、逃げたときと同じように、犬に噛まれることはなかったのではないか」
などなどです。

